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STOL(短距離離着陸)およびVTOL(垂直離着陸)研究に使われた実験機

ID番号 K814更新日 平成25年3月1日

STOL・VTOL Research Aircraft

 STOL(短距離離着陸)およびVTOL(垂直離着陸)研究に使われた実験機

低騒音STOL実験機 飛鳥

低騒音STOL実験機 飛鳥の写真

NAL『Aska』STOL Research Aircraft

 飛鳥は、低騒音ファンジェットSTOL開発のための基礎技術確立の目的で、科学技術庁航空宇宙技術研究所によって研究開発された実験機です。
 航空自衛隊の使用しているC-1輸送機を原型として、航空宇宙技術研究所のSTOLプロジェクト推進本部と、川崎重工内に設置されたSTOL実験機開発チーム(NASTADT)によって、設計作業が進められました。
 飛鳥が初飛行したのは西暦1985年(昭和60年)10月28日で、西暦1989年(平成元年)3月までに、97回、167時間10分の飛行実験が行なわれました。

飛鳥 主要諸元

  • 全幅:30.6メートル
  • 全長:29.0メートル
  • 全高:10.2メートル
  • エンジン:FJR710・600S×4基
  • エンジン推力:4,290キログラム
  • 全備重量:38,700キログラム
  • 主翼面積:120.5平方メートル
  • 最高速度:時速約600キロメートル
  • 航続距離:約1,600キロメートル
  • 着陸距離:480メートル
  • 離陸距離:680メートル

飛鳥の技術的特徴

飛鳥の機内の写真

純国産のFJR710・600Sエンジン

 飛鳥に採用されたFJR710・600Sは、通産省工業技術院の大型プロジェクト制度で開発されたFJR710の発展型で、純国産の高バイパス比エンジンです。

USB(Upper Surface Blowing)技術

 エンジン排気を主翼上面に吹き出し、USBフラップによって排気を下向きに曲げる方式で、通常の2倍から3倍の揚力を発生させます。

境界層制御技術

 翼上面の気流が剥がれるのを防ぐため、主翼前縁と補助翼の前から、エンジン抽気を吹き出す技術です。

SCAS飛行制御技術

 パイロットの操縦を補助するデジタル・コンピュータによって、各操舵とフラップ、エンジンの制御も行なっています。

高揚力研究機 X1G(サーブ・サフィール91B改)

高揚力研究機 X1G(サーブ・サフィール91B改)の写真

High Lift Research Aircraft (Saab Safir91B Mod.)

 本実験機は、西暦1945年(昭和20年)スウェーデンにおいて初等練習機として開発されたサーブ91Bサフィール機を原型機としています。原型機の機体構造が、改造に適した構造であったことから、防衛庁技術研究本部が研究実験機に改造し、岐阜基地において各種飛行試験を行ないました。

X1G試験形態の変遷

 サフィール改 X1Gは、さまざまなSTOL技術の試験母機として使用されており、その形態ごとにX1G1からX1G3の名称が与えられました。各形態の概要は以下のとおりです。

X1G1形態 西暦1957年(昭和32年)12月~西暦1958年(昭和33年)8月

X1G1形態 西暦1957年(昭和32年)12月~西暦1958年(昭和33年)8月の写真

 X1G1形態は最初に試験された形態で、フル・スパン・フラップとスポイラーを装備した新設計の主翼を装備し、高揚力主翼に関する研究が行われました。

X1G2形態 西暦1959年(昭和34年)4月~西暦1960年(昭和35年)9月

X1G2形態 西暦1959年(昭和34年)4月~西暦1960年(昭和35年)9月のイラスト

 X1G2形態では、胴体内にガス・タービンが搭載され、主翼前後縁へのBLC吹き出しが試験されました。
 また、重量の増加に対応して、エンジンが大馬力のものと交換されました。

X1G3形態 西暦1962年(昭和37年)4月~西暦1962年(昭和37年)8月

X1G3形態 西暦1962年(昭和37年)4月~西暦1962年(昭和37年)8月の写真

 このX1G3形態では、翼端渦を制御する翼端板を装備して、高揚力機のロール制御が研究されました。
 同時に失速特性のよい翼断面形が試験され、これが国産輸送機C-1の初期翼断面に応用されています。

X1G1B形態 最終形態

X1G1B形態 最終形態の写真

 本機の最終形態がこのX1G1Bで、換装されたエンジンはそのままに、主翼をX1G1時のものに戻しています。
 連絡飛行や飛行試験支援機として、防衛庁技術研究本部岐阜試験場で使用されました。
 当博物館には、この形態で展示されています。

実験飛行艇 UF-XS

実験飛行艇 UF-XSの写真

ShinMaywa 『UF-XS』 Research Flying-boat

 PS-1対潜哨戒飛行艇の開発に先立ち、アメリカ海軍から供与を受けたグラマンUF-1アルバトロス双発飛行艇を大改造して製作された、技術研究用の実験飛行艇です。短距離離着水を実現するためにプロペラ後流をフラップに沿って下向きに曲げ、かつフラップ背面から高圧の空気を吹き出して高い揚力を発生させます。
 低速時の操縦安定性を確保するため、わが国で初めてのコンピューターによる自動飛行安定装置を搭載しています。また、離着水の飛沫を緩和する溝型波消装置を装備し、世界的に注目されました。この実験飛行艇のデータはPS-1 対潜哨戒飛行艇の開発に直接役立てられました。

STOL飛行艇の技術

 低速で短距離離着水できる性能を獲得するため、フラップや舵面への空気吹き出しや、独自の波消し装置など、多くの技術的特徴を備えています。
 本機によって得られた技術的成果は、実用化されたPS-1およびUS-1飛行艇に活かされています。

FA-200改 STOL実験機

FA-200改 STOL実験機の写真

NAL『FA-200Mod.』STOL Research Aircraft

 科学技術庁航空宇宙技術研究所(NAL)のSTOL実験機として、富士重工FA-200エアロスバルを改造した機体です。西暦1966年(昭和41年)から、さまざまなSTOL実験に使用されました。
 本機には主に三段階の改修が加えられており、改造母機としての実験形態であるFA-200改から、STOL飛行実験形態であるFA-200XSを経て、現在展示中の最終形態に至っています。
 FA-200XSとしての飛行実験時は、主翼のフラップとフラッペロンに境界層吸込み機構を設け、胴体内に自動車用エンジンとブロアを取り付けていました。現在は胴体内のエンジンおよびブロアは取り外されていますが、主翼はSTOL実験用の形態となっています。

FA-200からFA-200改への改造概要

 母機となったFA-200からの主な改造個所は、下記のとおりとなっています。

  • エンジンの馬力増大(160馬力から180馬力へ)
  • STOL着陸における荷重増大に備え、主翼、主脚、胴体を補強
  • 水平安定板の取り付け角を可変に改造(0度プラスマイナス3度)
  • 計測装置ラック搭載のため後部座席を撤去
  • 発電機の容量増大(12ボルト,20アンペアから24ボルト,50アンペアへ)
  • 標準ピトー管、迎角計、横滑り角計ブームの取り付け
  • 各動翼、スロットル・レバーの操作角変換器取り付け
  • スロットル・レバーをクォードラント形式に改造

FA-200XSへの改造

FA-200XS・FA-200改のイラスト

 FA-200XSは、FA-200改にSTOL化改造を施した形態で、主翼は完全に新型のものと交換され、フラップおよびフラッペロンが境界層吸込み式になっています。
 また、境界層吸込み用のブロアを駆動するため、胴体内に軽自動車「スバル360」用のエンジンを搭載していました。
 このFA-200XSによる飛行実験の成果は、後の低騒音STOL実験機「飛鳥」にも活かされています。

VTOLフライング・テストベッド 

VTOLフライング・テストベッドの写真

NAL- VTOL Flying Test Bed

 垂直離着陸機(VTOL)研究のために、科学技術庁航空宇宙技術研究所で開発された実験機です。国産のJR100エンジンを垂直に2基取付け、下向きに噴出するジェット推力で浮き上がる、リフト・ジェット形式となっています。
 本機の初浮上は、西暦1970年(昭和45年)12月15日、宮城県にある航空宇宙技術研究所角田支所で行われました。

リフト・エンジン方式のVTOL

 VTOL(垂直離着陸機)にはいくつかの方式がありますが、航空宇宙技術研究所で研究されていたのは、推進用エンジンとは別に、浮上用のリフト・エンジンを持った「リフト・エンジン方式」のVTOLでした。
 当初、航空宇宙技術研究所ではリフト・エンジンだけを搭載した実験機の成果を踏まえた上で、本格的なVTOL機の開発に移行することを計画していました。本機は、その実験機です。

VTOL FTB 機体の概要

 このVTOL FTBを開発した大きな目的のひとつは、リフト・エンジン方式VTOLの姿勢制御技術を確立することでした。
 空中での姿勢制御には、機体の前後左右の端に設けた圧縮空気吹出口を使います。この吹出口をコンピューターで自動制御し、空中で安定した姿勢を保つことが求められたのです。
 この自動制御技術は、コンピューターの発展とともに幅広い分野で活用されるようになりましたが、VTOL FTBもこうした技術に貴重なノウハウを残したのです。

このページに関するお問い合わせ

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