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令和元年7月 小惑星探査機「はやぶさ2」

ID番号 K30458更新日 令和元年7月1日

小惑星探査機「はやぶさ2」

「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンして、1周年を迎えました。
4月からは、宇宙エリアの展示を解説していきます。
解説するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

第15回目の解説者は、学芸課の浅井博次さん

浅井さんの写真

「はやぶさ2」は日本のJAXAが2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機で、小惑星リュウグウへ行き、岩石試料を持ち帰ることを目的としています。リュウグウには有機物(炭素化合物)と水(含水鉱物)があると考えられており、この岩石を持ち帰ることで太陽系と生命の起源に迫ろうとしています。
岩石採取はタッチダウンという方法で行われます。リュウグウ上空から地表近くへ降下し、長さ1メートル・直径20センチメートルの円筒形のサンプラーホーンという装置の先端が地表に触れた瞬間、内部から地表へ打ち込まれる弾丸が岩石を砕き、内部に設置されているサンプルキャッチ機構(キャッチャー)が舞い上がる粒子をキャッチします。そして採取されたサンプルが回収カプセルに納められ、これが地球に戻って来るのです。
「はやぶさ2」は地下の岩石も採取しようとしており、衝突装置という直径30センチメートル・高さ20センチメートルの円筒形の機器を爆発させることで、重さ2キログラムの銅板をリュウグウ地表に衝突させクレーターを作ります。そうして作られたクレーターからの噴射物をタッチダウンして採取します。
「はやぶさ2」は「2」とあるように、2010年に地球へ戻って来た「はやぶさ」の後継機として作られました。「はやぶさ」と「はやぶさ2」の共通点は、小惑星に行くこと、そして小惑星の岩石を地球に持ち帰るということです。

小惑星探査機「はやぶさ2」の写真

【小惑星探査機「はやぶさ2」機体データ】

  • 本体:1.0メートル×1.6メートル×1.25メートル 
  • 質量:609キログラム

なぜ小惑星に行くのか

リュウグウの模型の写真

太陽系の天体は主に岩石や金属からなる岩石惑星、水素やヘリウムからなる巨大ガス惑星、水・メタン・アンモニアなどが凍ってできた氷に覆われた巨大氷惑星の3種類に分けられ、地球は岩石惑星にあたります。一方、サイズで分けると、惑星、衛星、準惑星の順に小さくなっていき、準惑星よりも小さな天体のうち、彗星のような尾を持たないものを小惑星といいます。
惑星などの大きな天体は小さな天体が集まってできたと考えられていますが、形成される過程で準惑星などの衝突などにより岩石がすべてとけてしまっているため、誕生当初の状態を推定することが困難です。
一方、小惑星や彗星は、大きな天体のように岩石が溶けておらず、太陽系ができたころの物質が残っていると考えられており、これらの天体からの物質を得ることができれば、太陽系の惑星の成り立ちを知ることができると期待されています。
小惑星は観測される光のスペクトルによって分類され、「はやぶさ」が行ったイトカワは主な成分が岩石質と推定されるS型、「はやぶさ2」が行っているリュウグウは主な成分が炭素系物質と推定されるC型です。有機物と水を含むC型小惑星はS型小惑星よりも太陽系の古い段階の状態を残している可能性が高く、また、有機物と水との関連から、生命誕生のプロセスを解き明かすカギを手に入れられるかもしれないと期待されています。

サンプルリターン

目的の天体の物質を採取して持ち帰ることをサンプルリターンと言います。探査の方法には天体のそばを通り過ぎるフライバイ、周回軌道に入るオービター、着陸するランダー、地表を移動するローバーなどの方法がありますが、いずれも地球への帰還は想定されていません。天体に行き、現地の物質を採取し、地球へ帰ってくる、このすべての行程を行うサンプルリターンは非常に難易度の高い手法です。これまでサンプルリターンに成功した探査は月のアポロ・ルナ計画、彗星のスターダスト計画、そして小惑星の「はやぶさ」のみで、特に「はやぶさ」は地球の重力圏外の天体に着陸してサンプルリターンに成功した初めての探査機です。
「はやぶさ」はイトカワの微粒子を持ち帰りましたが、それはイトカワの地表より採取したものでした。しかし、小惑星の表面には大気がないので、紫外線や放射線の影響で表面物質が変化していると考えられます。そのような変化のことを「宇宙風化」といいますが、「はやぶさ2」は地表のサンプルに加えて、宇宙風化をしていない地下の岩石を採取しようとしているのです。

これまでの「はやぶさ2」の成果と今後の活躍

リュウグウに到着してから現在に至る約1年間の間に、「はやぶさ2」は続々とミッションを成功させています。昨年の9月21日にはリュウグウ地表をホッピングして移動する小型ローバーMINERVA-2. 1の2台(Rover-1A、1B)を分離・着陸させ、ホップによる移動に成功しました。また、10月3日にはドイツとフランスが共同開発した小型ランダーMASCOTを着地させ、リュウグウ地表の組成データ等、多くのデータの取得に成功しました。
今年2月22日には、最初のタッチダウンに成功、サンプラーホーンから弾丸が正常に発射されたことが確認されました。「はやぶさ」ではこの弾丸が発射されず、極微量の微粒子しか採取できませんでしたが、「はやぶさ2」はすべての過程を完全に成功させたため、「はやぶさ」よりも多量のサンプルを手に入れたと予想されます。クレーター生成ミッションは4月5日に実施され、見事、直径約10メートル・深さ2~3メートルのクレーターを作ることに成功しました。小惑星地表にクレーターを作ったのはこれが世界初です。
今年7月11日には作成したクレーター付近に2回目のタッチダウンを行い、地下の物質採取に挑みます。その後まだ投下されていない残りの小型ローバーMINERVA-2. 2の分離・運用を行い、今年2019年の末頃に1年半近く滞在したリュウグウを出発し、来年2020年末頃に地球へ帰ってくる予定です。帰還時には、2回の着陸で採取したサンプルが入っている帰還カプセルを我々に届けてくれるはずです。その中に入っている「星のかけら」から太陽系を生命のどんな歴史がひもとかれるのでしょうか。
博物館では「はやぶさ2」の活躍を応援するべく、実物大模型そばに設置した「はやぶさ2ニュース速報」を逐次更新しています。ぜひ一緒に「はやぶさ2」を応援しましょう。

サンプラーホーンの写真

はやぶさの写真

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912