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令和元年9月 光衛星間通信実験衛星「きらり」

ID番号 K31478更新日 令和元年9月1日

光衛星間通信実験衛星「きらり」

「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンして、1周年を迎えました。
4月からは、宇宙エリアの展示を解説していきます。
解説するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

第17回目の解説者は、学芸課の竹村宗近さん

竹村さんの写真

光衛星間通信実験衛星「きらり」(OICETS)は2005年(平成17年)8月24日午前6時10分(日本時間)にカザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地からドニエプルロケットにより打ち上げられました。
4カ月後、12月9日に欧州宇宙機関(ESA)の先端型データ中継技術衛星(ARTEMIS)との双方向光衛星間通信実験に成功しました。12月16日より定常段階に移行し、ミッション期間として予定していた約1年間にわたり「ARTEMIS」との双方法光衛星間通信実験、情報通信研究機構(NICT)およびドイツ航空宇宙センター(DLR)の光地上局との光通信実験を実施しました。

【光衛星間通信実験衛星「きらり」機体データ】  

  • 国際標識番号 2006-031A
  • 打ち上げ日時 2005(平成17)年8月24日 午前6時10分(JST)
  • 打ち上げロケット ドニエプルロケット
  • 打ち上げ場所 カザフスタン共和国バイコヌール宇宙基地
  • 形状 本体:1.1メートル×0.78メートル×1.5メートル 展開型太陽電池パドルを有する箱型
  • 質量 約570キログラム
  • 軌道 円軌道
  • 軌道高度 約610キロメートル
  • 軌道傾斜角 約98度
  • 軌道周期 約97分
  • 姿勢制御方式 三軸姿勢制御方式

光衛星間通信実験衛星「きらり」の写真

静止衛星である「ARTEMIS」と低高度で地球を周回する「きらり」との間の距離は最大4万5千キロメートル程度もあり、光衛星間通信を行うためには、高出力レーザー素子や高利得光アンテナ、高感度信号検出器といった機器が必要となります。それらにより、入力レーザー光のビームをとらえる「捕捉」、入力レーザー光の角度を検出・制御する「追尾」、相手衛星の位置の誤差などを計算に入れながらレーザー光を正確な位置に放射するための「指向」といった実験を実施しました。
また、高精度なレベルで衛星姿勢を制御する技術や、光衛星間通信機器の性能評価のための地上試験設備も重要な課題として含まれていました。
「きらり」は、欧州宇宙機関(ESA)との国際協力によりESAの先端型データ中継技術衛星(ARTEMIS)との間でレーザー光を用いた光衛星間通信実験を実施し、光学系によるレーザー光の捕捉追尾技術の修得、光半導体デバイスおよび光学系技術の宇宙実証の実施、将来の光衛星間通信における国際相互運用に関する技術の修得を目的とした衛星でした。

「きらり」で使われている光通信技術は、こんなにすごい!

超正確なレーザー!

「きらり」のレーザーの写真

「きらり」が試みる人工衛星間通信の距離は最大4万キロメートル以上も離れている上、それぞれが別の軌道をすごいスピードで動いています。そんな人工衛星同士がレーザー光によってデータをやり取りするというのは、「東京駅から富士山の頂上の針の穴をねらう」くらい高度な技術なのです。本格的な宇宙時代に向けた基盤技術を育てるために、「きらり」は光の正確なコントロール技術を実証しました。

セキュリティもバッチリ!傍受されない光通信がすごい!

人工衛星同士で機密情報を扱う場合、通信時のセキュリティ対策も大事です。光通信の特徴の一つに、第三者に傍受されにくいというものがあります。今後人工衛星がさらに増える将来を見据えて、宇宙空間における光通信技術を確立することができました。

スピーディーな光通信!大容量データの高速送受信がすごい!

光通信の特徴である高速データ通信。大容量のデータを一気に送受信できることが強みです。さらに「きらり」はレーザー光を細く絞って使用するので、電磁誘導ノイズの影響を受けない安定した通信が可能になりました。

「ARTEMIS」との光衛星間通信実験の結果

光衛星間通信実験の写真

平成17年12月から平成18年8月までの約9カ月間に渡って「ARTEMIS」との実験を行い、合計100回の光衛星間通信実験に成功(105回試行)12月9日に世界初の双方向衛星間通信実験に成功し、光通信回線確立に必要な一連の捕捉・追尾・指向技術の軌道上実証を達成しました。また、実験期間を通じて、送信レーザー光の光学特性評価、限界性能評価などの実験および同一条件下での繰り返し実験などを行いました。
これらの実験結果により、電波同様に安定した光通信が可能であることを実証しました。

光地上局との光通信実験結果

東京都内に設置された情報通信研究機構(NICT)の光地上局との実験を平成18年3月、5月および9月に実施、世界初の低高度周回衛星と地上局間の光通信実験に成功しました。また、平成18年6月にはドイツ国内に設置されたドイツ航空宇宙センター(DLR)の可搬型光地上局との光通信実験に成功しました。両実験実施合計26回に対し、16回の光通信実験に成功、晴天時の成功率は100パーセントでした。
人工衛星と地上間の光通信の可能性を示す成果を得ることができました。

平成21年9月24日(午後2時38分)に「きらり」の停波作業を実施し、同衛星の運用を終了しました。「きらり」は、当初予定の運用機関(約1年間)を大幅に上回る4年を超える運用を通して、世界で初めて双方向の光衛星間通信や低軌道周回衛星と光地上局を結ぶ通信の実験に成功するなど、光宇宙通信に関して多くの成果を遺しました。
当館の「きらり」は実物大の模型ですが、光衛星間通信機器工学部(LUCE)は、地上実験で使用された本物です。宇宙空間における光通信技術の先駆けをご自分の目で確かめてみませんか。

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912