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令和2年3月 「イプシロンロケット」 

ID番号 K33778更新日 令和2年3月1日

「イプシロンロケット」

「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンして、2周年を迎ようとしています。
今年度は、宇宙エリアの展示を解説していきます。
解説するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

第23回目の解説者は、学芸課の太刀川友凜さん

太刀川さんの写真

世界で宇宙開発が活発になっている現在、日本の宇宙産業でも今後民間企業のさらなる参入が考えられます。小型のロケットが比較的安価かつ確実に打ち上げられることにより、多くの企業や団体が宇宙開発に挑むことができるようになっていくでしょう。
今回は日本の小型固体燃料ロケットの技術の集大成でもある「イプシロンロケット」を紹介します。


イプシロンロケットの写真

【「イプシロンロケット」基本データ】

  • 燃料方式
    第1段固定モータ:SRB-A3
    第2段固定モータ:M-35c(試験機)、M-35(2号機以降)
    第3段固定モータ:KM-V2b(試験機)、KM-V2c(2号機以降)
  • 開発元:宇宙航空研究開発機構、三菱重工業
  • 全長 (試作型)24メートル (強化型 2号機以降)26メートル
  • 直径 (試作型)2.6メートル  (強化型 2号機以降)2.5メートル
  • 重さ (試作型)91トン   (強化型 2号機以降)95.4トン
  • 打ち上げ履歴
    試作機 2013/09/14 惑星分光観測衛星「ひさき」(SPRINT-A)
    2号機  2016/12/20 ジオスペース探査衛星「あらせ」(ERG)
    3号機  2018/01/18 高性能小型レーダ衛星(ASNARO-2)
    4号機  2019/01/18 革新的衛星技術実証1号機 PARIS-1+超小型衛星3機+ キューブサット3機
  • 打ち上げ場所 鹿児島県の大隅半島 内之浦宇宙空間観測所

低コストで高性能を実現

「イプシロンロケット」は、2006年に引退したM-Vロケットの後継機で、小型衛星の打ち上げのために開発された3段式の固体燃料ロケットです。
固体燃料ロケットは構造が比較的単純で、同じ大きさの液体燃料ロケットと比べるとより大きな推力を持ちつつコストが抑えられるという特徴があります。
イプシロンロケットではさらに運用コストを削減するため、モバイル管制、打ち上げ準備期間の縮小、モーターケース(推進剤を入れる容器)の製造方法の改良などを行いました。さらに、エンジンは1段目にH-2Aロケットの固体ロケットブースタ(SRB-A)を改良して1段目として、2段目にM-Vの3段目ロケット(M-34c)(2号目以降はM-35)、3段目に(KM-V2c)を利用することで、開発コストを抑えつつ高性能を実現しました。

イプシロンロケットの写真

「モバイル管制」では、知能化による自律点検機能の実装により、わずかパソコン2台での管制を実現しました。これはイプシロンロケットの最大の開発要素です。さまざまな機器に自己診断機能を持たせ打ち上げ前の機器点検を自動化しています。
また、ロケットの組み立てを簡素化し、第一段ロケットを発射台に設置してから1週間での打ち上げを可能にしました。従来のM-Vロケットは、打ち上げ前の地上での点検作業に多くの装置が必要で第一段ロケットを発射台に立ててから打ち上げまでに2か月近くかかっていました。


イプシロンロケットの写真

イプシロンロケットの2013年の初号機の打ち上げ費用は約53億円でした。M-Vロケットの75億円と比べると3割費用を抑えることができました。
しかしこの金額ではまだ高く、4号機以降は38億円、それ以降は30億円以下の機体の開発に取り組んでいます。
地球周回低軌道に衛星を投入する場合、イプシロンロケットの打ち上げ能力は1500キログラム(2号機以降)で、M-Vロケットの最終号機1800キログラムに比べると8割の能力です。打ち上げ費用の目標が達成されればコストパフォーマンスが高いロケットが運用されることになります。

革新的衛星技術実証プログラム

2019年1月18日、JAXAが実施した「革新的衛星技術実証プログラム」により、イプシロンロケット4号機が7機の人工衛星を打ち上げました。
「革新的衛星技術実証プログラム」は、民間企業や大学などが開発した人工衛星、機器や部品に宇宙環境での動作確認や実験の機会を提供するプログラムです。
搭載された超小型人工衛星の1つには、「超小型理学観測衛星ライズサット」というものがあります。これは農業の効率化に活用されるデータの取得を目指し、東北大学で開発されたものです。

「革新的衛星技術実証プログラム」の写真

「革新的衛星技術実証プログラム」の写真

このようにイプシロンロケットは今後、さまざまな機器を宇宙に運び日本の宇宙産業のさらなる発展に貢献することでしょう。自分のアイデアがイプシロンロケットに乗り、宇宙に行く日が来るかもしれません。

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912