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平成30年5月「飛燕」

ID番号 K24268更新日 平成30年5月1日

旧日本陸軍 三式戦闘機二型「飛燕」試作17号機

2018年3月24日に、各務原が日本に誇る航空・宇宙専門博物館として、「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンしました。今年度は特別に、博物館で実際に展示されている機体を解説していきます。
登場するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

記念すべき第1回目の解説者は、空宙博副館長の長浦淳公さん

長浦淳公さんの写真

リニューアル前の館長を務め、博物館に対する愛情は誰にも引けを取らない自信があります!第1回目ならば、やっぱり「飛燕(ひえん)」でしょう。ぜひ、私の解説をお楽しみください!

「飛燕」とは…

飛燕は、太平洋戦争中の日本軍戦闘機で唯一の液冷エンジン機です。当時の川崎航空機により、各務原で一番多く作られた飛行機(約2800機)で、初飛行は1941(昭和16)年12月12日と記録されています。 

飛燕の写真

【三式戦闘機二型 機体データ】

  • 搭載エンジン:ハ140 冷却倒立V型12気筒
  • エンジン推力:1066キロワット×1基
  • 最高速度:時速610キロメートル
  • 全備重量:3825キログラム
  • 乗員数:1人
     

名前の由来

正式名称は、「旧日本陸軍 三式戦闘機二型「飛燕」 試作17号機」。
名前の「三式」は、神武天皇が即位したとされる年を元年とする年号の皇紀2603年に制式化(軍所属の戦闘機になった)されたことに由来しています。「二型」は、飛燕「一型」のエンジンなどを改良した機体で、100機ほどが製造されました。

飛燕の特徴

主翼構造が違う!

他の同時代の多くの戦闘機では、左右の主翼が別々に胴体に取り付けられているのに対し、飛燕は左右一体の主翼構造で、重量変化などに伴う重心移動にも柔軟な対応が可能でした。
設計の土井武夫技師の設計理論に基づき、細長い主翼を持ち、速度と旋回性能の両立を実現していました。最高時速は何と600キロ超!高々度性能も良かったため、米軍のB-29爆撃機の迎撃などで活躍しましたが、構造が複雑なエンジンの故障にも悩まされました。

主翼部の写真

主翼部の正面からの写真

空宙博展示の「飛燕」に迫る!

世界で唯一ほぼ完全な姿

空宙博に展示されている飛燕は、一般財団法人日本航空協会が所有しており、世界で唯一、ほぼ完全な姿で現存する機体です。
主翼付け根などの各所にある「6117」の記載跡から、機番は6117と判明していて、二型「増加試作機」の第17号機と推定されます。
大戦中は、航空機の研究・実験・実用試験を行う陸軍航空審査部に所属し、この組織の拠点であった福生飛行場(現在の横田基地)で終戦を迎えました。陸軍航空審査部は、試作機を使って本土防空戦にも参加していたので、この17号機も実戦経験があるかもしれません。

「6117」の痕跡が残る主翼部の全体写真
「6117」の痕跡が残る主翼部(全体)

「6117」の痕跡が残る主翼部の拡大写真
「6117」の痕跡が残る主翼部(拡大)

「6117」の痕跡が残る主翼部の拡大写真
「6117」の痕跡が残る主翼部(拡大)

2016年に各務原市へ里帰り

平成28年11月17日、博物館に搬入された飛燕の写真

戦後、米軍に接収されて横田基地に展示されましたが、火災で羽布(はふ)が燃えたり、輸送中に道路幅に合わせて主翼が切られたりもしました。1953年に日本に返還後、日本航空協会へ譲渡され、1962年には米軍による簡易な修復が行われています。その後、全国各地での展示や岐阜基地での保管を経て、1986年からは鹿児島県の知覧特攻平和会館で展示されていましたが、このたび、博物館のリニューアル決定と2016年の川崎重工業創立120周年のタイミングが重なり、各務原への里帰りが実現しました。
川崎重工業株式会社が記念事業として修復を行った後、博物館で常設展示されています。

製造当時のようすを知ることができる痕跡が多数発見

この17号機の修復にあたっては、製造当初の出荷時の姿への復元を目指しました。戦後に施された塗装を取り除くと、生産時に描かれたリベット(注1)位置のケガキ線(注2)やオリジナル塗装時の日の丸の跡など、当時のようすを知ることができる痕跡が多数発見されました。そのため、貴重な産業技術遺産として位置づけ、この17号機への再塗装は行わない方針です。
当時のようすを知ることができる痕跡は、ぜひ実際に訪れて確認してください!

(注1) リベットとは、金属板や鋼材などをつなぎ合わせるために打つ鋲(びょう)のこと。頭部のある金属棒で、接合部に穴を開けて差し込み、余った端をつぶして固定する。
(注2) ケガキ線とは、工作物の加工に必要な線や点を、ケガキ針(鉄やアルミなど金属材料の平坦な表面に傷をつけて線を引くために使う工具)などを用いて材に記した線のこと

分解された飛燕の写真

リニューアル当日のようすの写真

リニューアル当日のようすの写真

長浦副館長の「飛燕」解説はいかがでしたか?ここでは語り尽くせない機体の魅力は、ぜひ博物館へ足を運んでご覧くさい!長浦副館長もお待ちしています。次号の機体紹介もどうぞお楽しみに!

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912