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平成30年6月「乙式一型偵察機」」

ID番号 K24750更新日 平成30年6月1日

旧日本陸軍 乙式一型偵察機(サルムソン 2A2)

2018年3月24日に、各務原が日本に誇る航空・宇宙専門博物館として、「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンしました。今年度は特別に、博物館で実際に展示されている機体を解説していきます。
登場するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

第2回目の解説者は、ボランティアグループ代表の中野好弘さん

中野好弘さんの写真

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館は、日本一最高の博物館であると自信を持って言えます!これから紹介する乙式一型偵察機は、左右で展示の仕方が異なり、比較して見てみると面白いですよ。

「乙式一型偵察機」とは…

乙式一型偵察機は、日本の航空機産業の草分けともなった飛行機です。1922年に各務原で初めて生産され、各務原の航空機産業の始まりを告げる機体ともいえるでしょう。なお「乙式」とは、乙式一型偵察機の原型機を設計した、サルムソン社の設計機であることを指します。ちなみに、甲式はニューポール社、丙式はスパッド社、丁式はファルマン社を指します。

乙式一型偵察機の写真

【乙式一型偵察機 機体データ】

  • 搭載エンジン:川崎サルムソン AZ-9 水冷星型9気筒
  • エンジン推力:169キロワット×1基
  • 最高速度:時速186キロメートル
  • 全備重量:1500キログラム
  • 乗員数:2人
     

乙式一型偵察機の原型機、サルムソン 2A2型機

サルムソン 2A2型機は、フランスのサルムソン社が開発した単発複葉複座(注)の偵察機兼軽爆撃機です。初飛行は1917年4月29日、総生産機数は約3,200機にのぼり、アメリカ派遣軍も約700機を採用したという傑作機です。空冷エンジン搭載機に見えますが、液冷エンジン搭載機で、機体の大部分は木と布でできています。

(注)単発複葉複座とは、「単発」は発動機が1基であること、「複葉」は主翼が上下に2枚あること、「複座」は乗務員の座席が2つあることをそれぞれ指します。

サルムソン 2A2型機の「国産1号機」ができるまで

フランスは世界一の航空先進国だった!

乙式一型偵察機(後ろ)の写真

1918年春、川崎造船所の松方幸次郎社長が、サルムソン社より2A2型機の機体と発動機の製造権を取得しました。当時、フランスは世界一の航空先進国で、日本陸軍でもフランス機の導入が進められていました。同年には、フランスから航空教育団を招くとともに、サルムソン 2A2型機29機を輸入し、「サ式二型偵察機」として制式採用しています。

ついに国産1号機が完成!

その後、陸軍は川崎造船所に「サ式二型偵察機」の国産化を命じました。陸軍も、1920年から所沢の陸軍航空補給部で機体製造を開始し、同年末に国産1号機を完成させました。
さらに翌年には、51機を輸入。名称を「サ式二型偵察機」から「乙式一型偵察機」へ改め、1927年までに約300機を製造しています。

製造された飛行機が各務原上空を飛ぶまで

「飛行機製造」に立ちはだかる困難

乙式一型偵察機(エンジン)の写真

1919年、川崎造船所は兵庫県神戸市に飛行機工場を建設します。しかし、飛行機製造経験が全くなかったことやフランス語の判読などが障害となって、作業ははかどりませんでした。そこで、その困難を乗り越えようと、翌年2月から多数の工員を所沢の陸軍航空補給部に派遣し、機体組立技術の習得に努めます。

各務原市に工場設置!飛行設備も!

さらに川崎造船所は、1921年10月、岐阜県稲葉郡蘇原村に用地を購入して、格納庫と試験飛行設備を整えました。翌年9月には各務原分工場を設置。11月にようやく試作機が完成し、11月9日には各務原飛行場で試験飛行が行われました。
その後も量産機を受注し、1927年8月までに約300機、陸軍分と合わせると600機以上が製造されています。1933年ころまで前線部隊で使用された後、多数の機体が民間に払い下げられ、1937年ころまで飛行学校や新聞社などで使用されました。

空宙博に行ってみよう!

現在の展示機体

乙式一型偵察機サルムソン全体の写真

乙式一型偵察機の実機はフランスにも残されていません。現在展示されている機体は、ボランティア・グループ「サルムソン復元友の会」によって復元されたレプリカです。

再現までの道のり

1994年4月に、「サルムソン復元友の会」は川崎造船所製第一号機を再現するべく、復元に着手しました。現存資料とフランス現地調査を元に、当時と同一材料(木材にはヒノキとカバを使用)、同一形状の部品の復元や使用に努め、1995年12月、ついに復元が完成しました。操縦系統も操作可能に復元され、プロペラは日本航空協会から提供された本物です。
ただ、左下主翼には構造が分かるよう羽布を張らず、エンジン本体も搭載されていません。また、車輪はホイールも含めて木製のダミーです。ですが、復元された乙式一型偵察機の傍らには、国立科学博物館から借用した実機胴体やエンジン、さらには主翼桁や主翼間支柱などの実物が常設展示されています。ぜひとも空宙博の展示機体を目で見て、その迫力を感じてみてください!

乙式一型偵察機の実機エンジンの写真

乙式一型偵察機(はね)の写真

乙式一型偵察機の設計図の写真

中野好弘さんの「乙式一型偵察機」はいかがでしたか?ここでは語り尽くせない機体の魅力は、ぜひ博物館へ足を運んでご覧ください!次号の機体紹介もどうぞお楽しみに!

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912