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平成30年9月「川崎 KAT-1 練習機」

ID番号 K26109更新日 平成30年9月1日

川崎 KAT-1 練習機

2018年3月24日に、各務原が日本に誇る航空・宇宙専門博物館として、「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンしました。今年度は特別に、博物館で実際に展示されている機体を解説していきます。
登場するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

第5回目の解説者は、学芸課の高屋佐保子さん

高屋さんの写真

空宙博に展示されているどの航空機にも、なぜ作られたのか、どんな歴史があったのか…など物語があります。今回紹介する川崎 KAT-1 練習機も知って驚く話が盛りだくさん。9月の空宙博大全では、本機が現在の翼の形になった理由や、保安庁の練習機になり得なかった理由などをご紹介します。

「川崎 KAT-1 練習機」とは…

第2次世界大戦の敗戦後、GHQ(連合軍総司令部)により日本人によるすべての航空活動(航空機の研究・実験・生産)は禁止されます。前回は、その7年後の航空機生産活動禁止解除を受け、戦後4番目の国産機(戦後初の引込脚・全金属製の本格的な飛行機)として昭和28年7月に各務原で初飛行した川崎 KAL-1 連絡機をご紹介しました。
川崎 KAT-1 練習機は、川崎 KAL-1 連絡機同様に、戦後の航空機製造再開の原点に位置付けられる飛行機です。

川崎 KAT-1 練習機の写真

【川崎 KAT-1 練習機 機体データ】

  • 搭載エンジン:ライカミング GO-435-C2B 空冷水平対向6気筒 
  • エンジン推力:194キロワット×1基
  • 最高速度:時速298キロメートル
  • 全備重量:1385キログラム
  • 乗員数:2人

日本人好みの練習機

横からの川崎 KAT-1 練習機の写真

川崎 KAT-1 練習機は、保安庁(後の防衛庁)向けの初等練習機として開発された飛行機でもあります。単発機としては日本で初の首車輪式(尾輪式ではなく機体前方に主脚輪をもつ)です。少なからず飛行安定性に問題があったKAL-1への反省から、三式戦闘機「飛燕」の主翼翼型が採用されました。その結果、操縦性に関しては極めてバランスのとれた機体となり、「日本人好みの練習機」との高い評価を得ました。

保安庁の練習機にならなかった理由とは

しかしながら、保安庁の初等練習機には、富士重工がライセンス生産する「ビーチクラフト T-34 メンター」が採用されます。その理由は、KAT-1 練習機が未だ試作の域を脱していなかった(第2次世界大戦終結までの日本の航空技術・設計思想が残っている)ことや、米国製のT-34 メンターに比べて作りや装備品が貧弱だったことが挙げられます。このため、川崎 KAT-1 練習機は試作機が2機作られただけで製造は中止となりますが、2機ともが航空大学校の練習機として使われました。2人乗りのレシプロ・エンジン機で、前席に学生、後席に教官が乗って操縦を教えました。

帰ってきたKAT-1 練習機の1号機

1階フロアの全体写真

展示機体(JA3084)は試作1号機で、航空大学校での練習機の役目を終えた後、静岡県清水市の東海大学航空宇宙科学博物館を経て、北海道滝川市の滝川こども科学館に展示されていました。しかしその後、滝川こども科学館が閉館同然の状態となったことで、放置状態に陥ります。平成14年10月、川崎重工の有志により各務原への里帰りが実現し、平成15年4月から、かかみがはら航空宇宙科学博物館で展示され、空宙博でも引き続き展示されています。

KAT-1 練習機の2号機の今…

ちなみに、KAT-1 練習機の2号機(JA3100)は、航空大学校で練習機として使われた後、東京都立航空工業短期大学(後に都立科学技術大学)に寄贈され屋外展示されました。その後、平成5年に博物館建設計画を進めていた各務原市に寄贈されますが、エンジンやプロペラ・計器類が学生の教材用として取り外されていたほか、長期の屋外展示のため機体の痛みが激しく、展示は困難な状態でした。そのため現在、同機は分解された状態で当博物館収蔵庫にて保管されています。

「おおよど」のアップの写真

後ろからの写真

解説とKAT-1 練習機の写真

高屋佐保子さんの「川崎 KAT-1 練習機」はいかがでしたか?ここでは語り尽くせない機体の魅力は、ぜひ博物館へ足を運んでご覧ください!次号の機体紹介もどうぞお楽しみに!

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912