エンターキーを押すと、ナビゲーション部分をスキップし本文へ移動します。

  • ホーム
  • くらしの情報
  • 各務原の魅力
  • イベント
  • 市政情報
  • 事業者の方

現在の位置 : ホームBEST SMILE(ベストスマイル)バックナンバー一覧バックナンバー 空宙博大全 › 令和元年6月 火星探査車「オポチュニティ」


ここから本文です。

令和元年6月 火星探査車「オポチュニティ」

ID番号 K29958更新日 令和元年6月1日

火星探査車「オポチュニティ」

「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館(空宙博:そらはく)」がリニューアルオープンして、1周年を迎えました。
4月からは、宇宙エリアの展示を解説していきます。
解説するのは、博物館や航空機を愛してやまない方ばかり。機体への愛情あふれる皆さんが語る魅力や見るべきポイントをお楽しみください。

第14回目の解説者は、学芸課の丹羽悦子さん

丹羽さんの写真

「オポチュニティ」を見てまず目につくのは、太陽電池パネルではないでしょうか。この太陽電池パネルは、火星での探査車の活動をできるだけ長くするために、パネルを大きくすることが必要でした。しかし、その一方で探査車を火星へ運ぶ着陸船に、折りたたんだ状態で納めなければいけませんでした。さまざまな試行錯誤の結果、六角形の太陽電池パネルに飛行機の翼を付けたような形になりました。開発者たちの苦労と工夫で機能と見た目の美しさ、両方を満たす形となりました。ぜひ、太陽電池パネルに注目してみてください。将来、私たちが火星へと行けるようになったら、翼を広げた「オポチュニティ」に会えるかもしれませんね。

火星探査車「オポチュニティ」とは

火星探査車「オポチュニティ」は、アメリカ航空宇宙局(以下、NASA)が2003年に火星に送った無人探査車です。正式名称は、マーズ・エクスプロレーション・ローバーといい、1号機の「スピリット」と2号機の「オポチュニティ」の2機が火星へと打ち上げられました。

火星探査車「オポチュニティ」の写真

【火星探査車「オポチュニティ」機体データ】

  • 全幅:2.3メートル
  • 全高:1.5メートル
  • 質量:185キログラム

火星へ

エアバッグの写真

「オポチュニティ」は、2003年7月7日、フロリダ州にあるケープカナベラル空軍基地からデルタ2ロケットにより打ち上げられ、2004年1月24日に火星に到着し、火星の赤道付近にある平原地帯メリディアニ平原に着陸しました。「オポチュニティ」が着陸する3週間前には、「スピリット」が平原の反対側グセフ・クレーターに着陸しています。着陸の際には、大きな風船状のエアバッグを膨らませるという手法が使われ、185キログラムもある探査車を着陸の衝撃から守りました。

課せられたミッション

NASAが火星探査車を火星に送った目的は、火星表面の地質を広範囲に探査し岩石や土壌を詳細に分析することで、かつて火星に水が存在したことを証明することでした。探査車は火星に着陸後、折りたたんでいた太陽電池パネルを展開し、胴体の前後に付いている危険回避用カメラで周辺の風景を撮ります。また、6つの車輪があり、先端には長さ1.4メートルのロボットアームが装備されています。ロボットアームの先には火星の岩石を削り取る研磨装置、岩石や土壌を詳細に見るための顕微鏡カメラ、鉱物の組織や量を調べるメスバウアー分光計、土壌の元素を調べるアルファ粒子X線分光計が装備されています。上部のマスト(柱)の先には、パノラマ画像が撮影できるカメラなども付いています。
「オポチュニティ」が最初に降り立った場所は、平たんな場所ではなく基岩層が露出しているクレーターの中でした。土壌や岩石のサンプル調査、風景の撮影などを行い、水の存在を一つ一つ確認していきました。そして、ここで発見された塩素と臭素の2つの元素は、それぞれ臭化物塩と塩化物塩であり、この塩素と臭素の不規則な分布状態から、現在では蒸発した塩水の海岸線の跡ではと考えられました。また、流水でできたリップル(漣痕:水や空気が流れることにより堆積物でできる波状の模様)も確認され、「オポチュニティ」は、幸運なことに最初に降り立った場所で火星にかつて塩水があった証拠を発見しました。

火星探査車「オポチュニティ」の写真

火星探査車「オポチュニティ」の写真

火星探査車「オポチュニティ」の写真

役目を終えた「オポチュニティ」

その後「オポチュニティ」は、エンデュランス・クレーター、ビクトリア・クレーターと調査を続けました。その間、「オポチュニティ」は、前輪のステアリングやヒーター、フラッシュメモリーが故障するといったいくつかの困難にもあいましたが、そのたびに運用を工夫することで困難を乗り越え活動し続けました。しかし、2018年5月31日ごろ、火星で大規模な砂嵐が発生した影響で「オポチュニティ」との交信は、6月10日を最後に途絶えてしましました。NASAでは通信途絶後、「オポチュニティ」との交信を1000回以上試しましたが「オポチュニティ」からの通信はありませんでした。そして、2019年2月14日、NASAは「オポチュニティ」の運用終了を発表しました。

「オポチュニティ」の功績

ヘマタイトの写真
(注)写真は火星のヘマタイトではありません

「オポチュニティ」は、運用が終了する15年の間にさまざまなことを成し遂げてきました。360度のパノラマ・カラー画像15枚を含む、21万7000枚の画像を地球へと送信しました。また、52個の岩石の表面を詳細に観察するとともに新鮮な鉱物の分析を実施しました。さらに内蔵の研磨装置を利用して72個の岩石を対象にして分光計や顕微鏡での調査を実施しました。そして、大きな功績として、水の中で形成される鉱物「ヘマタイト(水の働きによってできた酸化鉱物の一種)」を発見し、エンデュランス・クレーターで過去に水の作用があったことを示す強い証拠も発見しました。
マーズ・エクスプロレーション・ローバーは、当初の計画では3カ月間、約600メートルを動くことを想定して設計、製造されました。しかし実際には、幾度も運用が延長され、「スピリット」は約6年間、「オポチュニティ」は約15年間も運用し続けました。また、「オポチュニティ」の走行距離は約45キロメートルとなり、地球以外の天体で最も長い距離を走行した探査車になりました。「スピリット」と「オポチュニティ」は今も現役として火星で探査を続ける探査車の先駆者的な役割を果たしたのです。

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の宇宙コーナーには、2005年に開催された日本国際博覧会(愛・地球博)のアメリカ館アメリカンジャーニー・ギャラリーで展示されていた、マーズ・エクスプロレーション・ローバーの実物大模型が展示されています。火星で数々の功績を遺した「スピリット」と「オポチュニティ」は今、火星で静かに眠っていますが、ぜひ実物大模型としての勇姿を見に足をお運びください。

このページに関するお問い合わせ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
〒504-0924 岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
電話:058-386-8500 ファクス:058-386-9912