現存する貴重な中世城館

ページ番号1011394  更新日 令和3年5月19日

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野口館跡

野口館跡の画像と平面図
土塁と堀(上)野口館跡の平面図(下)

野口館跡は、蘇原野口町にある中世城館(じょうかん)の遺跡です。

城館とは、その土地を治める領主や武士の住む屋敷と、戦いの際に防衛するための機能をもつ城郭を兼ねた建物のことです。敵から攻められにくい地形に屋敷を構え、その周囲に土を盛った土塁(どるい)や堀、竹垣などで囲んでいます。

野口館跡は東西77メートル、南北76メートルの「方形館(ほうけいかん)」という正方形に近い形をしています。周囲には深さ2メートルほどの堀があり、堀の外側に、底から約4メートルの高さの土塁が築かれています。南側の中央には出入口である「虎口(こぐち)」があり、その東側には物見櫓(ものみやぐら)があったのか、小高く土が盛られています。また、南東には曲輪(くるわ=土塁で囲まれた広いスペース)が設けられています。

館跡の立地を見ると、当時は東側に谷があり、湿地帯になっていました。江戸時代には水田だったことが村絵図から分かります。方形館は鎌倉時代によく見られる形ですが、野口館には曲輪が付くことから、もう少し新しい時代である可能性もあります。平成10~12年に行われた堀周辺の調査では、鎌倉~室町時代の陶器が出土しました。鎌倉時代に造られ、使われる中で何度も改築された可能性があります。

今日まで現存する中世城館はとても数が少なく、野口館跡は濃尾平野の中世を知る上で重要な史跡です。

ご注意ください

野口館跡は私有地です。見学の際は、館跡東側の歩道か北側の駐車場から柵越しに見学していただき、無断で立ち入らないようご注意ください。

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