平成30年10月自然体験塾講座「昆虫おもしろ楽習」

ページ番号1003945  更新日 平成30年10月1日

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市内には、ライフデザインセンターが4館あり、そこではさまざまな講座が開催されています。
10月号では、ライフデザインセンターの講座からは少し離れて、各務野自然遺産の森をフィールドにした「自然体験塾」のプログラムから、「昆虫おもしろ楽習」をレポートします。

(注)各務野自然遺産の森で植物や昆虫などを採集し、持ち帰ることはできません。この講座では、許可を得て昆虫を捕獲し、観察した後は遺産の森のフィールドに再び放しています。

自然体験塾講座「昆虫おもしろ楽習」

各務野自然遺産の森は貴重な植物や動物たちの宝庫

「自然体験塾」講座のようすの写真

市の北東部に位置する「各務野自然遺産の森」は、境川の源流部にあたる里山の森林自然公園です。園内には、江戸時代末期に造られた庄屋の家を移築した古民家があり、ここが「自然体験塾」講座の拠点です。「自然体験塾」は、1年間に4回の特別講座を含む46回、バラエティに富んだ講座を開講しており、参加者は自然に親しみ、楽しく学び、体験しています。
今年4月からは、毎月、この自然遺産の森に生息する昆虫たちを観察する講座を開催しています。受講者は、小学生の親子が中心で、大人も参加可能です。これまでに、6回が開催され、子どもたちが広い公園のあちこちを走り回りました。

講師は理科教育のスペシャリスト!川上紳一岐阜聖徳学園大学教授(岐阜大学名誉教授)

川上紳一岐阜聖徳学園大学教授の写真

講師は、岐阜聖徳学園大学の川上紳一教授です。2年前の特別講座「ほしぞら日和」(現「ほしぞらキャンプ」)以来、ご縁があり、現在「自然体験塾」のアドバイザーもしてくださっています。本来の専門は、隕石や地層の縞模様から宇宙史や地球史を探るというものですが、現生の昆虫や植物などにもたいへん詳しい方です。前職の岐阜大学では教育学部に所属し、数多くの理科の先生を輩出してきました。
そんな川上先生と一緒に、各務野自然遺産の森でトンボやチョウ、バッタを探して回り、虫たちの生態や観察の仕方を教えてもらいながら、季節の変化を追っていくという講座です。
ちなみに子どもたちに、先生のことを聞いてみると、「先生が一番元気!」「どうして先生はあんなに元気なの?」という返事が返ってきました。そんな子どもたちも、先生の後を一生懸命ついていき、いろいろな発見をしています。

見つけたトンボは10種類以上

この講座は、毎回20人を超える人気講座です。子どもたちは、広い自然遺産の森で、バッタやチョウやトンボなどを探して走り回ります。
この公園は、山も草地も池も小川もあるため、トンボの種類も豊富です。季節の移り変わりとともに、数多くのトンボが観察できます。サナエトンボの仲間からヤンマ類、イトトンボ類、そして秋色のトンボの仲間へと、見られるトンボも移り変わっていきます。その種類は、10種類以上。連続して観察することで、より深く、より身近に、感じることができるのです。

ダビドサナエの写真
ダビドサナエ
タべサナエの写真
タべサナエ
コヤマトンボの写真
コヤマトンボ
クロイトトンボの写真
クロイトトンボ
モノサシトンボの写真
モノサシトンボ
ショウジョウトンボの写真
ショウジョウトンボ

観察の方法や、不思議な生態についても学びます

セミの抜け殻の写真

この講座は「ただ昆虫を捕まえて名前を教えてもらう」だけではありません。例えば、池を縄張りにして飛んでいるトンボを観察するのに、皆でしゃがんで、じいっと待ったりします。時には、トンボが別のトンボを食べている場面にも出くわすこともあります。先生に見てもらおうと、家から持ってきたノコギリクワガタに指を挟まれ、泣いてしまった男の子には「相手だって必死なんだからね」と、自然界に住むものの厳しさを教えます。(挟まれて痛む指のフォローはスタッフが行いました)
「何を食べているのかな」、「どこに住んでいるのかな」。子どもたちが興味を持ったそのときに、先生は答えてくれます。
また、この夏には、セミの抜け殻をいくつも見つけました。参加者の中には、とても詳しい昆虫少年もいて、川上先生がニイニイゼミの抜け殻を見ながら「セミからキノコが生えてくることがあるんだよ」と話すと、「知っているよ、冬虫夏草っていうんだ」と答えていました。

豊かな自然環境の中で、学ぶ心も育ちます

「昆虫おもしろ楽習」のようすの写真

講座の時間は、土曜日の午前10時~正午。そのほとんどの時間は、外を歩き、各務野自然遺産の森のあちこちを観察して回ります。この「昆虫おもしろ楽習」によく参加するお子さんは「昆虫も、その幼虫も、見つけるのが大好き」と答えてくれました。また、子どもと一緒に参加したお母さんは「前回は、来られなかったので、今日は本当に楽しみにして来ました。子どもは朝からワクワクしています」と、にっこり。
川上先生は「こうしなさい」ということはありません。みんなは自由に楽しみながら学び合い、先生の解説ポイントでは、しっかり耳を傾けます。自然のフィールドでの学びというのは、こういうところにあるのだろうなぁ、と思う瞬間です。

「こんなの見つけたよ!」でフィードバック

「こんなの見つけたよ!」レポートの画像

講座で観察できても、それだけで終わってしまっては残念です。子どもたちは昆虫を捕まえ、観察し、放しますが、川上先生は写真を撮って記録しています。その一部を、毎回1枚のレポートにまとめて、次回以降の受講者にフィードバックしています。それが「こんなの見つけたよ!」で、自然体験塾棟にも掲示しています。(右写真参照)
このレポートでは、4月にみんなで植えた、サンショウやヤマハンノキ、フジバカマなどの木や草のようすもお知らせしています。

ウェブサイトがリニューアルします!

「自然体験塾」のウェブサイトの画像

「自然体験塾」は、市が主催する森林環境教育講座です。その魅力をより多くの方に伝えるために、ウェブサイトが12月にリニューアル・オープンします。
今回紹介した「昆虫おもしろ楽習」講座で観察した昆虫のデータも公開しますので、各務野自然遺産の森をより一層楽しめるようになります。楽しみに待っていてくださいね。

11月号は中央ライフデザインセンターの夫婦でチャレンジ!講座「スポーツ吹き矢で楽しく健康に」をピックアップします。お楽しみに!

このページに関するお問い合わせ

いきいき楽習課
電話:058-383-1210
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