水道事業のあゆみ
創設からの経過
(1)創設事業
各務原市の上水道の起源は、稲葉郡那加町上水道が、昭和16年12月1日に認可を受け、更木地内の新加納水源地に径5.5メートル、深さ10メートルの浅井戸1基を掘削し、圧力槽を通じて那加駅前一円に配水したのがその始まりです。戦時中の資材不足により、配水管はすべてヒューム管が使用されていました。
上水道区域から外れた那加町北部一帯では、境川上流からの工場汚水や、排水施設の不備による地下水汚染にみまわれたため、昭和34年5月26日に認可を受け、那加町広域簡易水道の整備に着手しました。那加西市場地区に内径15インチ、深さ50メートルの井戸を掘削し、権現山に容量300立方メートルの配水池を設け、昭和34年11月に、13地域への給水を開始しました。
また、これと前後して、稲羽町地域、蘇原町地域および鵜沼町地域においても多くの簡易水道が設立されました。
(2)第1次拡張事業
那加町上水道は、航空自衛隊と航空機工場の立地による人口急増により、ヒューム管による配水管での漏水が頻発し、維持、修繕費が負担となっていました。こうしたなか、那加町22地域への給水を目的として、昭和35年12月27日に認可をお受け、第1次拡張事業に着手しました。
- 更木町に内径300ミリメートル、深さ60メートルの井戸2基を新設
- 三井に500立方メートルの浄水池および三井山に1,300立方メートルの配水池を新設
(3)第2次拡張事業
昭和38年4月1日、稲葉郡4町が合併し、各務原市制が施行されました。既設の航空機産業、繊維産業を中心に、関連産業の進出が相次ぎ、特に金属工業団地の操業を目前に控え、人口は年々増加し、給水量も日々増加していました。これに対し、衛生面、防火面の観点と、簡易水道統合による経営合理化を目的として、昭和38年12月28日に認可を受け、第2次拡張事業に着手しました。
- 三井水源地に深井戸1基、送水ポンプおよび電気設備を増設
- 稲羽地区23カ所の簡易水道を上水道に統合
- 那加広域簡易水道を上水道に統合(ただし、既設設備は存置)
- 廃止予定だった新加納水源地から金属工業団地に給水
(4)第2上水道事業の創始
蘇原地区と鵜沼地区は、航空関連産業をはじめ、多くの企業の立地が進み、給水の申し込みが年々増加していました。そこで、新市建設基本計画に基づき、既設の簡易水道を統合して第2上水道事業を創始し、施設の拡充と給水量の増加、産業の発展、公共の福祉の増進を図ることを目的として、昭和41年12月26日に事業認可を受けました。
- 鵜沼地区と蘇原地区の17カ所の簡易水道のうち、9カ所を統合して第2上水道事業を創始
- 蘇原南部地区に取水井3基増設、浄水場1カ所、2,000立方メートルの配水池を新設
(5)第3次拡張事業
那加北部地区に尾崎団地の開発が計画され、第2上水道地区においても、工場、住宅団地の進出が計画されたことから、第1上水道、第2上水道および2カ所の簡易水道の統合を目的として、昭和45年3月31日に認可を受け、第3次拡張事業に着手しました。
- 第1上水道,第2上水道を統合
- 三井水源地に4基、西市場水源地に2基、蘇原水源地に1基、各務水源地に1基深井戸を増設
- 三井水源地と西市場水源地に浄水池と送水ポンプを増設
- 那加北部開発地区に700立方メートルの配水池を新設
- 大伊木簡易水道と朝日簡易水道を上水道に統合
(6)東部上水道事業の創始
鵜沼地区にある鵜沼東部簡易水道、東西町簡易水道、古市場簡易水道のうち、東西町簡易水道と古市場簡易水道は、水質の悪化と水量の低下により廃止し、鵜沼東部簡易水道に統合して、名称を東部上水道としました。(昭和47年3月31日事業認可)
(7)第4次拡張事業
那加北部での県住宅供給公社の団地造成や、鵜沼東部地区での民間各社の団地造成による大幅な給水人口の増加を受け、各務原市上水道と各務原市東部上水道の2事業および一部の簡易水道を統合して、経営を合理化することを目的に、昭和50年3月31日に認可を受け、第4次拡張事業に着手しました。
- 各務原市東部上水道を各務原市上水道に統合
- 三井水源地に10基、西市場水源地に6基の深井戸を増設
- 三井水源地と西市場水源地に着水井、浄水池、送水ポンプ施設を増設
- 12,000立方メートルの大伊木配水池、10,000立方メートルの川崎山配水池と配水管等各施設を拡充
- 持田簡易水道と楠簡易水道を上水道に統合
(8)第4次拡張事業の変更
第4次拡張事業は、昭和40年代の高度経済成長に呼応した市内住宅団地開発の最盛期に向けて、大幅な人口増加を見込み計画されました。しかし、オイルショックや円高不況などの経済変動による土地開発の停滞とともに、人口増加は沈静化し、自然増へと移りました。給水量も、昭和57年をピークに下降した後、横ばいの状態が続き、当初の計画との差異が生じたことから、その修正を目的として、昭和63年1月30日に変更認可を受けました。
- 給水区域を市内全域に拡充
- 市内最後の雄飛ヶ丘簡易水道を各務原市上水道に統合
- 鵜沼東部水源地と蘇原水源地を廃止
- 600立方メートルの持田受水池、3,000立方メートルの須衛配水池、460立方メートルの鵜沼東受水池、3,000立方メートルの緑苑配水池の新設と耐震配水管を整備
(9)配水管整備事業
昭和30年代から40年代に布設した石綿セメント管(アスベスト管)の漏水事故多発を受け、平成4年度から平成8年度までの5か年で、石綿管布設替事業を実施しました。この事業では、平成3年度末の総延長が約78キロメートルの石綿管を、すべてダクタイル鋳鉄管に布設替えするとともに、管網、弁栓などの整備事業を実施し、漏水防止と耐震性能の強化を図りました。
(10)川島町上水道事業の譲受
平成16年11月1日の各務原市と川島町との合併に伴い、川島町の上水道事業を譲り受け、各務原市上水道としました。
(11)第5次変更
川島町との合併にあわせ、給水区域から除外されていた川島町竹早地区の一部を給水区域に追加し、市全域を給水区域とする区域拡張を行うとともに、命の水マスタープランによる事業計画の見直しにより、取水地点の変更を行いました。
また、近年は人口減少や使用水量の減少など、水道事業を取り巻く環境変化に対応するため、水需要推計により各計画値を修正し、平成24年3月27日に変更認可を受けました。
- 川島町竹早地区の一部(エーザイ株式会社川島工場)を給水区域に追加
- 三井水源取水井、河田水源取水井、小網水源取水井の変更
- 弥平島水源取水井の追加
現況
経年設備更新事業、地震対策事業、配水管路網整備事業などを実施し、安心、安全な水道水の安定供給と、サービス向上に努めています。
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各務原市三井東町4-32
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