GHQによって検閲された歌舞伎台本

ページ番号1005275  更新日 令和3年2月12日

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歌舞伎台本(各務地区所蔵)

検閲された歌舞伎台本の画像

 昭和20年8月15日に太平洋戦争が終結し、続いて米軍が進駐すると、GHQ(連合国最高司令官総司令部)による検閲(けんえつ)が全国で行われました。

 写真は、毎年秋に「村国座子供歌舞伎」が上演される、各務おがせ町の村国神社に残る歌舞伎の台本です。演目は「碁太平記白石噺 新吉原揚屋の場(ごたいへいきしろいしばなし しんよしわらあげやのば)」。人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)や歌舞伎(かぶき)でよく上演される、百姓の娘2人による仇討(あだうち)の物語です。

 表紙に「N-1013」と、検閲時の認可番号と思われる印が押されています。GHQによる検閲は、「民事検閲局」(CCD=Civil Censorship Detachment)という組織によって行われ、表紙の裏には、右上隅にCCDのマークと責任者名・サインと日付が記されています。また、下部には「総司令部民事検閲局検閲済」のスタンプが押されています。

 こうした演劇などに対する検閲は、CCDのうち報道や出版、放送などを担当するPPB(Press, Pictorial & Broadcasting)が行い、昭和24年(1949)10月まで続きました。この台本が受けた検閲の日付は昭和24年9月21日。まさにCCDによる検閲の最終期に行われた、占領下の証人とも言える資料です。

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