家庭に音楽をもたらした発明品
蓄音機
蓄音機(ちくおんき)といえば、米国のトーマス・アルバ・エジソンの発明品として有名です。19世紀中ごろにフランスで研究が始まり、1877年(明治10年)にエジソンが実用化した蓄音機は、明治43年(1910)には国産第一号機が発売されるなど、早い時期から日本に根付いた機械です。明治時代には蓄音機のほか、「写声器(しゃせいき)」や「蘇音器(そおんき)」などと呼ばれました。
川島会館4階の木曽川文化史料館に展示されている蓄音機(写真)は、電気と手動(ゼンマイ)の2種類の動力で稼働するもので、レコードの種類に合わせて、1分間の回転数を78(SP盤)・45(EP盤)・33(LP盤)回転と変えられるダイアルがついています。古式な朝顔形のホーンを持つものの、45回転(1949年に米国で発表)に対応していることから、正確な製造年は不明ながら戦後の製品であることが分かります。
蓄音機、そしてレコードの発明・発達により、演奏家が演奏する場所にいなければ聞けなかった音楽を、家庭でも楽しむことができるようになりました。蓄音機がもたらした大きな変革は、単に録音・再生ができる機械が生まれたということだけでなく、家庭で音楽を聞いて過ごすという、現代まで通じるライフスタイルを生み出したことにあるといえます。
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