低未利用地の有効利用を考える(実証実験)事業 (耀く大野町まちづくり委員会)

ページ番号1025212  更新日 令和7年10月14日

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各務原市まちづくり活動助成金 令和7年度交付事業の活動の様子を紹介します。(レポートの内容は、事務局の取材や団体からのヒアリングなどをもとに作成しています。)

まちづくり活動助成金 令和7年度事業

まちづくり助成1年目

事業概要

低未利用地の有効利用について勉強会やワークショップを行い、基本構想を作成する。

予算

  • 総事業費 369,351円
  • 助成金交付申請額:246,000円
  • 用途:報償費、旅費(視察)、需用費(紙、プリンターインク、フライヤー印刷)、委託料(フライヤーデザイン)

第3回大野町共有地利活用セミナー(令和7年9月26日)

セミナー風景

9月26日(金曜日) 午後7時〜8時30分

大野町公民館で、第3回大野町共有地利活用セミナーが開催され、町民13人が参加しました。

CBRE株式会社 名古屋支店 コンサルタント 新川義志氏
新川氏は、物流不動産の専門家として「変わる倉庫の役割──保管から価値創造の拠点へ」をテーマに講義。
かつて倉庫は商品や材料を保管するだけの場所でしたが、現在では出荷・検品・撮影などを一体的に行う「価値創造拠点」へと進化しています。EC(電子商取引)の拡大を背景に、消費者の「早く・正確に届く」ニーズに応えるため、倉庫が企業戦略の中心となりつつあります。
特に各務原インターチェンジ周辺は、北陸方面との連携軸上にあり、全国配送型ではなく「中域物流拠点」としての可能性を持つ地域と分析。土地価格の安定や地場製造業との相性の良さから、中小企業が共同利用する「シェア型物流拠点」の整備にも適していると述べました。今後は、地域事業者が連携する分散型ネットワークや、ECと連動した地域ブランド発信拠点としての発展が期待されると語りました。

株式会社オアシスパーク 運営部 店舗運営課 課長 寺田祥夫氏
寺田氏は、各務原市の木曽川河川環境楽園におけるオアシスパークの事例を紹介。
同施設は、国営・県営公園、研究機関、民間事業者が連携して運営する複合型テーマパークで、年間を通じて多くの来場者が訪れています。特に春から秋にかけては水遊びやイベントが盛況で、ファミリー層を中心に人気を集めています。
また、手ぶらで利用できる「BBQキャンバス」など、気軽に楽しめる体験型サービスが好評で、近年は「BBQコン」など交流型企画も注目されています。寺田氏は、幅広い世代を対象にしたイベント展開と、多主体の協働による柔軟な運営体制が地域活性化の鍵であると強調しました。
 

 

第2回大野町共有地利活用セミナー(令和7年8月29日)

セミナー風景

8月29日(金曜日) 午後7時〜8時30分

大野町公民館で、第2回大野町共有地利活用セミナーが開催され、町民16人が参加しました。

不動産コンサルタントによる土地活用の視点
美濃善不動産株式会社の浅野彰成代表取締役が、不動産コンサルティングの立場から「土地活用の基本と可能性」について講演をしました。
浅野氏は「まずは土地の素性を知ることが何より大切」であり、市役所での法規制確認、現地の間口や奥行き、登記簿や周辺環境、さらには地域の歴史まで丁寧に調べる必要があると述べました。加えて、所有者が「相続で手放したい」「転勤で売却したい」など、どんな背景で活用を検討しているのかを理解することが重要だと指摘しました。
具体的な活用例としては、駅前や商業地で需要の高い駐車場、建築制限のある場所でも可能な資材置き場、普及が進む太陽光発電、地域貢献につながる資源回収所などを紹介。また、市街化区域での店舗・事務所、住宅・共同住宅の活用についても触れました。地方では人口減少による空室リスクがあることも注意点として挙げています。
さらに、土地を貸す際には「契約条件の明確化が不可欠」と強調しました。「土地を貸したら返ってこないと思え」という言葉があるほど、契約書の取り決めは重要だと述べました。売却も選択肢の一つであり、特に共有地では権利関係の整理が欠かせないと指摘しました。

PEP UP CIRCLEの挑戦
続いて、PEP UP CIRCLE共同代表の葉山瑛介氏が講演をしました。1997年生まれの葉山氏は、コロナ禍の中で社会人として歩み始め、建材メーカーで住宅ブランドの事業に携わりました。その中で「解体現場から出る木材や家具にも、再び価値を生み出せる可能性がある」と実感し、2022年に退職。循環をテーマとした団体「PEP UP CIRCLE」を立ち上げました。
活動の中心は、不要になった資材や生活道具を“レスキュー”し、リメイクやDIYを通じて新しい持ち主に引き継ぐこと。単なる再利用ではなく、持ち主の思いや物語ごと受け継ぐことを大切にしています。
その延長で2024年には、各務原市那加にある大正時代の古民家を改装し、新しい交流拠点「まちの交民館|十’(テン)」を開設。展示やポップアップショップ、音楽イベントなどを試行的に行い、2025年春から本格運営をスタートしました。
葉山氏は「自分が暮らしていて楽しい場所をつくりたい」と話し、仲間とともに持続可能で面白い地域づくりを目指しています。参考にしたのは長野県下諏訪の「ReBuilding Center JAPAN」で、「レスキュー」という発想もそこから学んだと紹介しました。


今回のセミナーは、不動産の専門家から学ぶ現実的な土地活用の視点と、若い世代による循環型の地域づくりという二つのアプローチが紹介されました。大野町の共有地の未来を考える上で、参加者に多様なヒントを与える時間となりました。
 

第1回大野町共有地利活用セミナー(令和7年7月25日)

セミナー風景

7月25日(金曜日) 午後7時〜8時30分

大野町公民館で、第1回大野町共有地利活用セミナーが開催され、町民12人が参加しました。

鈴木智晴さん(耀く大野町まちづくり委員会)から、「共有地って?」をテーマに、大野町における共有地の歴史について説明がありました。江戸時代に村の神社の土地として古文書「大野邑原記」に書かれた記録、明治政府が発行した土地の権利証である「地券」に「美濃國各務郡大野村所有」と書かれた記録、明治22年に制定された土地台帳に書かれた記録が紹介され、町の共有地が江戸時代から村の所有として一貫して継続されていることが説明されました。現在は200名を超える地権者が存在しており、大野町の共有地として維持・管理されているが、大野町自治会名義とはなっていないため、町民が利用できる公共施設等を整備する際に支障が生じていることが伝えられました。この状況を解決するため、平成26年に地方自治法で不動産登記に関して設けられた特例措置制度を活用し、今後は大野町が認可地縁団体として認可を受け、土地の名義を認可地縁団体に変更する予定であるとの説明がありました。

次に、松下さん(各務原市都市建設部都市活力創造課)から、各務原市における工業団地「テックフォルテ各務原」についての説明がありました。テックフォルテ各務原は、岐阜県各務原市各務山一丁目に整備された工業団地。各務山は各務原市の山の一つであり、1970年代から採石が行われて来て、その結果、中心部と東側を除いて山体はほぼ消滅しました。各務原市は、この採石によって得られた約100haの土地を有効活用するため、基本構想を策定し、各務山を6つの区域(工区)に分けて段階的に整備を進める計画を立て、分譲された経緯の説明がありました。

最後に、大野尚子さん(各務原市都市建設部都市活力創造課)から、まちなかウォーカブル推進事業 那加 from Park 構想について説明がありました。那加公園エリアは、各務原市西部に位置し、「各務原市民公園」および「学びの森」という2つの都市公園と、その周辺のまちなかエリアで構成されています。両公園は、毎年11月3日に開催される「マーケット日和」などのイベントを通じて、市内外から多くの来訪者を集めていますが、一方で、周辺のまちなかエリアでは歩行者が少なく、店舗開業の出店場所としても選ばれにくい状況が続いており、日常的な賑わいの創出が課題となっていることが説明されました。
この課題解決に向けて、那加公園エリアに新たな賑わいを生み出すためのプロジェクトとして、令和6年度より、各務原市と株式会社OUR FAVORITE CAPITALが、「まちなかウォーカブル推進事業」を開始して、「公園の賑わいをまちなかへ」をテーマに、「那加from Park構想」を掲げていることが伝えられました。市と地域のプレイヤーが協働し、エリア内の賑わいを広げるさまざまな取り組みが計画・実行されている状況が説明されました。

今後、大野町が認可地縁団体として認可を受け、共有地の名義を大野町に変更した後、土地を町民が利用できる公共施設等としてどの様に整備していくかが、今後の「大野町共有地利活セミナー」で話し合われます。

全体構成の監修(令和7年6月23日)

ホタル飛翔時

6月23日(月曜日) 午後1時〜2時
各務原市役所市民交流スペースで、鈴木智晴さん(耀く大野町まちづくり委員会事務局長)が、富樫幸一さん(岐阜大学名誉教授/岐阜県地方自治研究センター理事)に、大野町の低未利用地の有効利用を考える事業の全体構成(年間スケジュールと、マイルストーン)を説明し、富樫教授の監修を受けました。
 

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