古代のゴミ穴はタイムカプセル!

ページ番号1005204  更新日 令和3年2月12日

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山田寺跡出土火舎

火舎の画像と復元図
火舎(上)鬼面部分拡大(中)復元イメージ(下)

 蘇原寺島町の山田寺跡(さんでんじあと)の発掘調査で、最も多く出土したのは堂塔(どうとう)の屋根にふかれていた瓦(かわら)ですが、その他に寺院ならではの貴重な遺物も見られます。

 山田寺中心伽藍(がらん=寺院の建物)の東側、寺域の外側に位置する場所に、廃棄土坑(はいきどこう)SX6が検出されました。この土坑には、山田寺が運営されていたころに、破損した器材が集められ廃棄してありました。古代寺院の実態を調べるために発掘調査をする私たちから見れば、たとえ壊れていても、一つの穴に古代の遺物が集積されたのは好都合で、この廃棄土坑から高い密度の成果が得られました。

 廃棄土坑に残されていた遺物のなかで注目されるのは、須恵器(すえき)の獣脚付火舎(じゅうきゃくつきかしゃ)です。一部の高級品は鋳物(いもの)ですが、多くは須恵器という焼き物で作られました。火舎とは、仏事に用いる蓋(ふた)のついた香炉(こうろ)のことです。つまり、お線香を立てる器です。これに、トラの脚のような形をした獣脚が3カ所、もしくは5カ所につくものと思われ、火舎の本体を持ち上げています。また、獣脚の上方には、外に向かって鬼面(きめん)が彫られています。

 仏像の前で使用されていた火舎と思われますが、どんな仏像が安置されていたのか、とても興味深いです。

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