浄化槽の話
1.『水』はとても大切なもの
私たちが住んでいる地球は、豊富な水にめぐまれ、「水の惑星(わくせい)」とも呼ばれています。
しかし、その水のほとんどは海水です。私たちが利用しやすい淡水(川や湖の水)は、わずかしかありません。
2.水が汚れると大変
水はいろいろなことに利用されています。だから、水が汚れると、いろいろな被害がおこる可能性があります。
たとえば、農業用水が汚れると農作物に被害があるかもしれません。 また、漁業関係では、魚の育ち方に問題があるなどの被害があるかもしれません。
3.自然が持つ自浄作用(水をきれいにするチカラ)
川には自浄作用があります。自浄作用とは、自分の力で汚れをきれいにするということです。
たとえば、川の中へ汚れ(有機物)が流れてくるとします。川の中には、汚れを栄養としている微生物がたくさんいます。 微生物は水の中にある酸素を使いながら汚れを分解します。ただし、たくさんの汚れを分解することはできません。
4.川や海を汚している毎日のくらし
毎日、みなさんの家庭では、台所でごはんをつくったり、トイレやお風呂を使っているでしょう?
これらのことは、生活にはかかせないことですよね。こういった生活から流れ出る水を「生活排水」といいます。「生活排水」をきれいにしないまま、川や海へ流してしまっては、自然が汚れてしまいます。では、いったいどのようにすればよいのでしょうか?
5.浄化槽ってなに?
浄化槽は、「生活排水」を自然に近い水にまできれいにします。
みなさんの家庭だけでなく工場などにも設置されていて、微生物による汚れの分解や消毒などをおこない、汚れた水をきれいにしています。
浄化槽には、「合併処理浄化槽(がっぺいしょりじょうかそう)」と「単独処理浄化槽(たんどくしょりじょうかそう)」があります。
「合併処理浄化槽」は、家庭から出る「生活排水」のすべてを浄化します。
「単独処理浄化槽」は、トイレからの排水だけをきれいにして、そのほかの「生活排水」は、きれいにしないまま、川などに流しています。
現在は、「単独処理浄化槽」を新しく設置することは認められていません。「合併処理浄化槽」の設置、あるいは、すでに設置されている「単独処理浄化槽」から「合併処理浄化槽」へ切り替えがおこなわれています。
6.浄化槽のしくみ
(1)「嫌気ろ床槽(けんきろしょうそう)」
汚れた水が入ってきます。汚れた水に含まれる「大きな汚れ」をとり除きます。また、酸素を必要としない微生物「嫌気性微生物」が汚れを分解してきれいにします。部屋は2つあって、同じ処理を繰り返すことでさらにきれいな水になります。
(2)「接触ばっ気槽(せっしょくばっきそう)」
液体と空気を接触させて、液体に空気中の成分(酸素など)を吹き込むことを「ばっ気」といいます。 「接触ばっ気槽」では、「接触材」についている、酸素を必要とする微生物(好気性微生物)を利用して、ブロアで汚れた水に酸素を送りながら、さらにきれいな水にしていきます。
(3)「沈殿槽(ちんでんそう)」
「沈殿槽」では、大きな汚れを沈めて、きれいな表面の水を「消毒槽」へ送ります。「消毒槽」では、塩素で消毒をおこないます。その後、川などへ放流します。
(4)「ブロア」
汚れた水の中に空気を送り込む送風装置です。空気が好きな微生物「好気性微生物」を元気にして、水中の汚れをさらにきれいにします。
7.浄化槽を正しく使うために
すばらしい機能をもった浄化槽ですが、正しい使い方をしなければ、せっかくの水をきれいにする力も十分に発揮できません。
「浄化槽法」という法律の中では、浄化槽の管理者(家庭の場合は世帯主)がおこなう3大義務(やらなければならないこと)として、1.保守点検、2.清掃、3.法定点検がさだめられています。
それぞれ、おこなうには資格が必要であり、契約した業者がおこなう場合が一般的です。
つぎのことに気をつけましょう。
- トイレの水は十分な量を流す。
- トイレの掃除には、微生物に影響するような薬剤を使用しない。
- トイレには、トイレットペーパー以外は流さない。
- 台所から、野菜くずや天ぷら油などは流さない。
- ブロア(送風装置)の電源は切らない。
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