長期的水質改善対策

ページ番号1024182  更新日 令和7年4月3日

印刷大きな文字で印刷

長期的水質改善対策について

長期的水質改善対策では、将来にわたり水道水質の安全性を確保したうえで、安価で豊富かつ安定的に水道水を供給し続けるため、市全体の水道水の供給体制の見直しについて検討を行っています。

三井水源地の原水から検出された有機フッ素化合物については、令和2年に検査を開始し、定期的な検査を継続していますが、季節的な変動はあるものの、増加・減少の傾向はわかっていません。

また、周辺環境については、岐阜県と市が設置した専門家会議「各務原市におけるPFOS/PFOAに関する専門家会議」の意見を踏まえ、県と市が連携して井戸や河川などでの水質調査を行い、PFOS・PFOAの経時的な変動の把握に努めているところです。

水道事業としては、有機フッ素化合物が長期にわたり検出され続ける恐れもあるため、中期的な水質改善対策と並行して、その先を見据えた将来的な水道水の供給体制の最適化についても検討しています。

このページの先頭に戻る

供給体制の見直しとは

水源地

各務原市は豊富な地下水に恵まれており、水道の水源は100%地下水で賄っています。市内の地下水は概ね東から西へ流れており、また、1970年代に市東部で硝酸態窒素が高い濃度で検出されていたことから、特に地下水が潤沢な市西部に5カ所の水源地が集中しています。

井戸(取水井)からポンプで汲み上げた地下水(原水)は、水源地で次亜塩素酸ナトリウムによる塩素消毒や、遊離炭酸を除去する曝気処理などの浄水処理を行うことで、水道水(浄水)として各ご家庭へ給水しています。

水道水質については、水道法に基づき検査・監視を実施しています。一般細菌や大腸菌、カドミウム、水銀などの水質基準は定期的な水質検査により監視しており、原水のpHや濁度、浄水の残留塩素濃度など、常時監視を行っている項目もあります。また、PFOS・PFOAなどの水質管理目標設定項目についても、市独自で検査・監視を行っています。

三井水源地写真
三井水源地
三井水源地取水井写真
三井水源地 取水井

配水池・水道管

三井水源地および西市場水源地からは、標高が高い場所にあるタンク(配水池)までポンプで加圧して送水し、そこから自然流下により給水しています。小網水源地、笠田水源地および弥平島水源地は、ポンプで加圧するなどして水源地から直接給水しています。

水道管は、取水井から水源地まで送る「導水管」、水源地から配水池まで送る「送水管」、配水池から各ご家庭までお配りする「配水管」など多岐にわたり、口径75ミリメートル以上の管延長だけでも令和5年度末時点で約821キロメートルになります。

三井山配水池写真
三井山配水池
大伊木配水池写真
大伊木配水池

供給体制の見直し

有機フッ素化合物の対策だけでなく、水源地や配水池、水道管などの膨大な水道施設を適切に管理していくためにも、市内全体の状況をしっかりと見直した上で、新たな施設整備や更新、統廃合などを計画・実施することが重要です。

そのため、まずは水源について、地下水に限らず、河川水の利用や他の水道用水供給事業者からの購入など、さまざまな選択肢から、効率的かつ効果的な手段を検討する必要があります。

新たな水源開発の検討についてもその一部であり、有害物質が検出されない豊富な水源の確保が理想的です。

その上で、配水池や水道管などの既存の水源施設との位置関係や、今後の水道施設の更新計画、さらには災害時のバックアップ体制など、さまざまな要因を考慮して、水道水の供給体制の最適化を検討していくことが求められています。

このページの先頭に戻る

これまでの経緯

令和2年11月 三井水源地において有機フッ素化合物(PFOS・PFOA)の暫定目標値超過

三井水源地および西市場水源地において、水質管理目標設定項目に追加されたPFOS・PFOAを検査したところ、三井水源地で99ng/Lと、暫定目標値である50ng/Lを上回り検出。

令和3年5月 原水集合の濃度低減対策を開始

PFASの状況把握のため、市内全5カ所の水源地にある27本の取水井すべてで、PFOS・PFOAの検査を実施し、三井水源地の7本の取水井において、暫定目標値である50ng/Lを上回る濃度を確認。高濃度で検出された取水井の休止や、汲み上げる流量の調整を行い、原水集合の濃度低減対策を開始。

令和4年4月 モニタリング検査を強化

三井水源地での検出状況を特に詳しく把握するため、原水集合と濃度の高い取水井にて毎月の検査を開始。また、すべての取水井にて年2回(地下水位が高い夏季と低い冬季)の検査を実施。取水井の位置関係による濃度推移や季節変動など実態把握するため、モニタリング検査を強化。

令和5年10月 PFAS対策に向け組織体制を強化

水道水におけるPFAS対策を強力に推進するため、水道部に水質改善対策室を設置。水道施設課が応急対策(第一期工事)の維持・管理を継続し、新たに設置された水質改善対策室は、今後の対策に専念するよう組織体制を強化。

令和6年2月 長期的な対策を検討開始

三井水源地における中期的水質改善対策の検討とあわせて、将来にわたり水道水質の安全性を確保したうえで、安価で豊富かつ安定的に水道水を供給し続けるため、市全体の供給体制見直しについての検討に着手。

令和6年6月 各務原市水質改善対策委員会を設置

幅広く専門家から意見を聴取するため、各務原市水質改善対策委員会を設置。令和6年度は、三井水源地における中期的水質改善対策と併せて、長期的水質改善対策として、将来的な水道水の供給体制の最適化について調査・審議を開始。6月、10月、12月に3回の会議を開催。

各務原市水質改善対策委員会写真
委員会の開催状況

このページの先頭に戻る

委員会での審議内容

新たな水源開発については、水道水として供給ができる十分な水量の確保が可能な水源として、地下水や河川水などの中から、木曽川、木曽川扇状地の伏流水、地下水、岐阜県営水道事業からの受水の4種類の水源を選別。

選別された4種類の水源について、施設整備に関する概算費用や受水に関するランニングコストの算出から経済性を比較。

経済性で大きく差が出たことから、地下水の取水を中心に検討を進めることとし、水源候補地として水質や水量、地盤などの水利・地質条件から3案を作成・優先順位を決定。

水源候補地の精査については、令和6年度は文献調査や周辺の既存井戸での水質調査を実施。将来的に安定した水源として活用可能かどうか、引続き慎重に調査・審議を進めるよう決定。

このページの先頭に戻る

今後のスケジュール

令和7年度は、水源候補地の水質・水量の現地調査を実施する予定です。

これに加え、地下水中のPFASについて、「深い位置で取水した方がPFASの濃度が低い可能性がある」との委員会での助言を受け、まずはその傾向の有無を確認するため、検出濃度が比較的高い三井水源地周辺にて状況把握に向けた調査も実施します。

令和8年度以降は、水源候補地などでの調査結果を踏まえ、将来的な水道水の供給体制の検討を進めていきます。

このページの先頭に戻る

PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。

このページに関するお問い合わせ

水質改善対策室
電話:058-216-8010
水質改善対策室へのお問い合わせは専用フォームをご利用ください。