古墳も描かれた特大サイズの村絵図
野口村絵図
野口村絵図(のぐちむらえず)は、江戸時代末期の慶応(けいおう)2年(1866)に野口村(現在の蘇原野口町)の庄屋(しょうや)である安積氏が作成した絵図です。幅217センチメートル、高さ208センチメートルもある大きな絵図で、土地の利用方法や所有者などが詳細に描かれています。領主である旗本(はたもと)徳山氏に提出するために作成された絵図の控えです。
この絵図の中に「つか」「塚」として、丸く描かれている部分があります(写真左下)。この「つか」とは、古墳(こふん)のことであると思われます。
絵図に描かれた「つか」の位置周辺には現在も「行念寺古墳(ぎょうねんじこふん)」など多くの古墳が現存しています(写真右下)。しかし、この絵図の「つか」は現存せず、昭和初期の記録でも確認されていません。つまり、明治~大正時代に土地の開墾などによって失われてしまった、幻の古墳ということになります。
こうした村絵図から、江戸時代の人々の暮らしの様子がわかったり、古墳の位置を特定できたりと、新たな情報を得ることができます。
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