地域に伝わる地芝居の伝統と交流の証

ページ番号1005245  更新日 令和3年4月19日

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歌舞伎台本(各務地区所蔵)

各務地区に伝わる歌舞伎台本の画像


毎年、秋に行われる各務原市の伝統芸能といえば、各務おがせ町の国指定文化財「村国座(むらくにざ)」で上演される「村国座子供歌舞伎」が思い浮かぶのではないでしょうか。現在、地元小学生によって演じられる歌舞伎も、昭和40年代の終わりまでは、地域の青年が主体となって出演していました。

この村国座が建つ村国神社には、明治~昭和の初めにかけて各務地区で使用されていた歌舞伎の衣装(リンク先を参照)とともに、数十点もの歌舞伎の台本が残されています。

写真は、その台本の一部ですが、左の「勢理婦帳」(せりふちょう)とあるものは明治35年、中央の「一の谷嫩軍記」(いちのたにふたばぐんき)は大正13年の台本で、全5段のうち、現在でも村国座でよく上演される3段目「熊谷陣屋の場」のものです。右も同じく「一の谷嫩軍記」の台本ですが、こちらは2段目で、左下に「市川高之丞」と、所有者の名前が入っています。

市川高之丞は現在の関市の歌舞伎役者で、各務地区で戦後まで歌舞伎を指導した市川佐玉(さぎょく)が師事し、市川姓を授かったとされる人物です。また、中央の「一の谷嫩軍記」の台本にも「関 高嶋屋」、左の勢理婦帳にも「市川高若」と市川姓が見られるなど、明治~戦前の地芝居の文化や地域の交流が、役者の師弟関係も含め広範囲に広がっていたことが分かる資料です。

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