大砲の腕前をアピール!前渡坪内氏の「御用部屋記録」
前渡坪内氏御用部屋記録
「御用部屋記録(ごようべやきろく)」は、旗本(はたもと)前渡坪内氏(まえどつぼうちし)の記録です。江戸時代後期、前渡坪内氏の家臣たちによって書き残されたものです。
坪内氏は、各務原市域に領地を持つ旗本です。初代の坪内利定(つぼうちとしさだ、1539~1610)は織田信長(おだのぶなが)や徳川家康(とくがわいえやす)に仕え、鉄砲隊を率いて活躍し、領地を与えられました。江戸時代、坪内氏の本家は新加納に、三つの分家はそれぞれ前渡・三井・平島(岐南町)に陣屋(じんや、政務を行う役所兼住居)を構えました。
幕末の前渡坪内氏の十一代目当主・坪内昌壽(つぼうちまさひさ、1835~1911、写真)は、各務野(現在の航空自衛隊岐阜基地周辺)で、鉄砲・大砲の稽古を行っていました。「御用部屋記録」には、「外国の船が日本に来て、非常事態が起こった場合、我々は鉄砲を持って江戸に参上します」といった内容とともに、持参できる鉄砲の大きさや数を幕府に提出したことが記されています。砲術によって幕府に出世のためのアピールをしたものと思われます。
各務野は、幕末には前渡坪内氏の砲術稽古場として、明治時代には陸軍の演習場として、大正時代には各務ヶ原飛行場として活用されていきます。
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