農村歌舞伎を彩った、豪華けんらんな衣装

ページ番号1005211  更新日 令和3年2月12日

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黒地鯉滝登文様打掛

黒地鯉滝登文様打掛の画像

 このあでやかな着物は、歌舞伎(かぶき)で使用された衣装です。

 江戸時代に京都で生まれた歌舞伎は、江戸や大坂などの大都市だけでなく、地方の村々でも支持されました。旅回りの役者による興行だけでなく、「自分たちで演じたい」との思いから、素人による歌舞伎「地芝居(じしばい)」の文化が全国で発展しました。

 各務原でも、こうした地芝居は各地で盛んに行われましたが、戦後の社会や生活の変化、また各地の芝居小屋が老朽化や災害などで失われたことで、地芝居の文化も廃れていきました。現在、市内で唯一残った地芝居が、各務おがせ町の村国座(むらくにざ)を拠点とする「村国座子供歌舞伎」です。

 この衣装も、村国座とともに各務地区に保存されてきたもので 、他の関連する資料から明治~昭和初期のものと推測されます。身丈175センチメートル、桁62センチメートルで、黒地に金糸で鯉の滝登りの意匠が施されており、同じ鯉の文様を施した帯が付属しています。「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の揚巻(あげまき)など、花魁(おいらん)役が身に着けたものではないでしょうか。

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