1100年以上前の輝きを今に伝える銅製の碗

ページ番号1005213  更新日 令和3年5月24日

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山田寺塔心礎納置銅壺(国重要文化財)

山田寺塔心礎納置銅壺の画像
銅壺(上・中)無染寺境内にある塔心礎(下)

現在の蘇原寺島町にあった古代寺院、「山田寺(さんでんじ)」に収められていた、銅製の有蓋碗(ゆうがいわん)です。

名称にある「塔心礎(とうしんそ)」とは、寺の建造物のうち、塔の中心に立てられた柱を支える基礎の石のことで、この銅壺は心礎の中央に彫られた直径16センチメートルの穴の中から発見されました。こうした器は「舎利容器(しゃりようき)」と呼ばれ、元々は釈迦(しゃか)など仏教の聖人の遺骨を納めるためのものでした。

この山田寺の銅壺は高さ13.4センチメートル、口縁部の直径10.3センチメートルの大きさで、銅と錫(すず)、鉛の合金で作られています。蓋には宝珠(ほうじゅ)形のつまみがつき、蓋を外すと、銅壺の内側は現在もなお金色に輝いています(写真下)。古代の山田寺は7世紀の終わりから9世紀後半まで存続したと考えられており、1100年以上の年月を経ても、当時の輝きを保っていることに驚かされます。

銅壺の実物は大切に保管されており、精巧なレプリカを中央図書館3階の歴史ギャラリーで見ることができます。また、あわせて国の重要文化財に指定されている心礎は、蘇原寺島町の無染寺(むぜんじ)境内に安置され、見学することが可能です。

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