とっておきの舞台衣装は、ブランドのロゴ入り!

ページ番号1005223  更新日 令和3年2月12日

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黒地源氏車文様着付

黒地源氏車文様着付の画像
黒地源氏車文様着付(上)ロゴ部分(中)昭和22年の着用写真

 この着物は、以前ご紹介した「黒地鯉滝登文様打掛」(リンク先を参照)と同じく、各務地区に保存されている歌舞伎(かぶき)の衣装です。

 袴(はかま)をはかずに着る、いわゆる「着流し」の着物ですが、歌舞伎では「着付(きつけ)」と呼ばれる衣装です。光沢のある繻子(しゅす=サテン)という織物を使用し、首元と裾を大きく飾るのは、牛車(ぎっしゃ)の車輪をモチーフとした「源氏車(げんじぐるま)」という文様です。

 黒地に源氏車の衣装は、歌舞伎の演目のうち、「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」という演目の「道行初音旅(みちゆきはつねのたび)」の段で、佐藤忠信(さとうただのぶ)役のものとして知られています。実際に、昭和22年10月に村国座で撮影された写真に、この着付と思われる衣装を身に着けた佐藤忠信役の役者が写っています。

 この着付のおもしろいところは、袖の下の部分にロゴが入っていることです(写真中)。ロゴは、「如源(にょげん)」という、当時、中国の南京(なんきん)にあった黒繻子の織元のもの。高級な織物として有名だった同社のロゴを、さりげなく(?)衣装に残したと考えられます。当時の各務村の人々が、衣装に込めたであろう矜持(きょうじ)や、ちょっとした見栄をうかがい知ることができる資料です。

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