各務原市の地域別の植物

ページ番号1001532  更新日 令和3年2月12日

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 各務原市の中でも、地域によって生息する植物が異なります。さらに、同じ地域の中でも、環境の微妙な違いからうまくすみ分けをしています。

空き地・造成地の植物

空き地・造成地の植物の写真

 空き地や造成地は、セイタカアワダチソウ、ヒメジオン、メリケンカルカヤ、キダチコンギク、アレチヌスビトハギ等の草たけの高い帰化植物がよく目立ちます。土を動かした荒れ地や造成地には、初め一年草が侵入しますが、次第にヒメムカシヨモギ(2年草)やセイタカアワダチソウ(多年草)へと推移していきます。


空き地・造成地の植物の写真

 最近は、このセイタカアワダチソウが衰退し、在来種のススキが盛り返してきました。これは、セイタカアワダチソウが根から他の植物を阻害するアレロパシーを分泌していましたが、それが増えすぎて、逆に自らを阻害することとなったようです。

田んぼの植物

田んぼの植物の図

田んぼをくわしく観察してみると、環境の微妙な違いからうまくすみ分けをしています。

水田

セリ(セリ科)、コナギ(ミズアオイ科)、ウリカワ(オモダカ科)、イヌビエ(イネ科)、ウキクサ(ウキクサ科)

畔(あぜ)

アゼムシロ(キキョウ科)、ヒメクグ(カヤツリグサ科)、アゼナ(ゴマノハグサ科)

土堤

オオバコ(オオバコ科)、チガヤ(イネ科)

溝の中

チョウジタデ(アカバナ科)、タカサブロウ(キク科)、ミソハギ(ミソハギ科)

畑の植物

畑の植物の写真

 畑の植物には、畑を開墾してすぐに侵入してくる植物(チガヤ等)と、数年経ってから侵入してくる植物(スベリヒユ、カタバミ等)があります。畑の植物の特性は、種子が発芽するのに光を必要とする光発芽植物が多いことです。そのために畑の耕作のたびに土中の種子が地表に出て光にあたり、絶え間なく発芽してきます。また畑の植物は一年草がほとんどであるが、たまに多年草(ムラサキカタバミ、ハマスゲなど)も混じります。

春の畑

ミドリハコベ(1~2年草:ナデシコ科)、ナズナ(2年草:アブラナ科)、スズメノカタビラ(1~2年草:イネ科)、キツネアザミ(2年草:キク科)

夏の畑

メヒシバ(1年草:イネ科)、コニシキソウ(1年草:トウダイグサ科)、スベリヒユ(1年草:スベリヒユ科)、シロザ(1年草:アカザ科)

秋の畑

イヌタデ(1年草:タデ科)、アキノエノコログサ(1年草:イネ科)

道路脇の植物

道路脇の植物の図

 道端に生える植物は、定期的な除草や刈り取り、さらには人や車による踏みつけといったことが多く、また環境面でも乾燥といった厳しい制限をうけながらも、たくましく自生しています。舗装されていないような林道を観察してみると、中央部は人や車の行き来があるため、茎の繊維が良く発達し、強い葉をもった踏みつけに強いオオバコ(オオバコ科)やオヒシバ(イネ科)といった植物が自生しています。一方、道路の両端は、イタドリ(タデ科)、ヒナタイノコズチ(ヒユ科)、ヨモギ(キク科)、ヒメジオン(キク科)、アレチヌスビトハギ(マメ科)、セイタカアワダチソウ(キク科)などの草たけの高い大型の植物が自生しています。

河川敷の植物

河川敷の植物の写真

 河川敷の草原は、豪雨の際は、冠水し、土地が削られ不安定です。そのためヒメムカシヨモギ(キク科)、キダチコンギク(キク科)、アレチハナガサ(クマツヅラ科)、アレチマツヨイグサ(アカバナ科)といった水の流れにも強く、大型で繊維が強い帰化植物が優先しています。また、葉が水の流れになびくようなシナダレスズメガヤ、トダシバ、ススキ、オギ、セイバンモロコシといったイネ科の植物も多く自生しています。そのほか、カワラサイコ(バラ科)、カワラハハコ(キク科)といった在来の川原の植物も、点在しています。

河川敷の植物の写真

湿地の植物

湿地の植物の写真

 湿地は、人間にとってどちらかといえば役にたたない土地です。したがって、人間は開発を進め、それによって、湿地植物の聖地が、どんどんと消滅しつつあります。しかし、そこには、行き場を無くした貴重な湿地植物が 多く自生しているのです。山地の湿地の中を観察すると、サワギキョウ(キキョウ科)、サワシロギク(キク科)、キセルアザミ(キク科)、サワヒヨドリ(キク科)、アブラガヤ(カヤツリグサ科)、サギソウ(ラン科)等の湿地植物が、絶滅の危機に瀕しながら、細々と自生しています。

里山(丘陵地)の植物

 里山(丘陵地)の尾根や山頂は、土壌が浅く、土も肥えていません。そのようなやせた場所は、アカマツ林になっています。一方、土壌の深い斜面や、適湿な谷筋などには、落ち葉が堆積し、土が肥えています。そのような肥沃な場所には、夏緑広葉樹のコナラ、アベマキになっています。そのような里山の樹木の植物の構成は下記のようになっています。

里山の森林の植物の構成

里山の森林の植物の写真

高木層

コナラ、アベマキ、タカノツメ

亜高木層

リョウブ、コナラ、タカノツメ

低木層

ネジキ、ヒサカキ、シャシャンボ

草本層

ショウジョウバカマ、ベニシダシシガシラ、ヒメカンアオイ

里山の森林の縁の構成

里山の森林の縁の構成の図

 森林の縁にはマント群落があります。マント群落とはマントのように森の周辺を覆うように発達した群落のことです。ここには、ニガイチゴ、ムラサキシキブ、クサギなどの木本に、クズ、アケビ、ヤモノイモ、カミエビなどのつる性植物で構成されています。また、そで群落とは、森林の周囲に帯状に発達する草本を主とする群落のことです。たとえばヤブジラミ・ヒカゲイノコズチ・ヤエムグラ・アカネなどの草本植物で構成されています。

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