宅地開発と地域環境保全について

ページ番号1006198  更新日 令和3年2月12日

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提案

 令和2年3月地域住民に何の連絡もなく、蘇原東栄町森林(以下森林と記載)が伐採され、はげ山状態になりました。聞くところによれば宅地化されると言うことです。
 此の森林は蘇原に残された最後の貴重な森林でした。景観上もすぐれ、地域に緑の憩いをあたえてくれます。野口公園で遊んだ子どもたちが森林に入り自然を楽しんでおりました。
 季節の移り変わりに、広葉樹が茂り、各種野鳥が飛来し、秋になると子どもたちがどんぐりなどを拾い、自然のふれあいの場所でもありました。
 開発と言う名目で残された自然を台無しにし、此の自然豊かな環境を後世に伝えることが、できなくなりました。また、この森林には、古墳遺跡が数基ありその価値も重要です。
 安易に開発を行い、このような自然破壊をしてもよいものでしょうか。何か重要なものを置き去りにしているような気がします。
 また、気候温暖化と言う立場から考えると、此の森林の二酸化炭素削減効果も期待されます。
 岐阜県がまとめた岐阜県地球温暖化防止基本条例(下記参照)があります。
 市長の所信表明(令和2年第1回各務原市議会定例会・2月18日)に、地域で安心して暮らせる環境づくり、「つながりづくり」を大切にした施策に力を入れ、しあわせが実感できるまちの実現に向け、着実に歩みを進めていきたいとあります。
 魅力ある都市づくり各務原市を推進するうえでも、この貴重な森林を確保することは、大切であり、自然と地域住民が共生する住環境を整備することが、魅力ある各務原市を創世する一つと思われます。
 そして今、伐採された森林は、自然教育の一環として子どもたちの手と地域住民の手でもう一度、自然林に回復させ、古墳自然公園して整備させたらいかがなものでしょうか。
 また、自然環境保全の意識向上のために自然環境保全募金を進めたらいかがでしょうか。

(参考)岐阜県地球温暖化防止基本条例
第七章 森林の保全および整備等による地球温暖化対策
第三十条 事業者、県民および民間団体は、連携し、および協働して、森林の適切な保全および整備並びに県産材その他の森林資源の利用の推進に努めるものとする。
2 県は、森林の持つ温室効果ガスの吸収作用に関する事業者および県民の理解を深めるため、情報提供その他の措置を講ずるものとする。
(令和2年8月17日受付 藤岡 春美さん)

回答

 このたびは、市長へのご提案をいただきありがとうございます。
 ご指摘の蘇原東栄町地内における宅地開発区域は、市街化を促進する市街化区域の「第1種住居地域」・「第2種中高層専用住居地域」に位置しており、開発行為をしようとする者は、都市計画法における開発許可を受けなければなりません。
 開発許可の申請があった場合は、都市計画法第33条の技術基準に基づき審査を行ますが、本案件については、許可基準に抵触する部分はございませんでした。しかしながら、事業者に対しては、周辺住民の方々に事業計画の説明を十分に行い、理解を得るよう強く要請を行っています。
 生物多様性や地球環境の保全に寄与する緑地の重要性は十分理解しており、本市はこれまでにも公共施設や道路・河川の緑化、公園の整備など、緑化施策を進めてまいりました。個人の財産である私有地の利用を制限することはできませんが、緑化条例や開発指導要綱で基準を設けるなど、私有地においても緑化を積極的に進めていただくような施策を進めています。
 なお、宅地造成予定地には4基の古墳が残存しており、熊田山北古墳群のエリアに含まれています。
 文化財課としては、埋蔵文化財である熊田山北古墳群の保存について、地権者や開発業者との間で事前協議を行いました。その結果、開発者側に費用を負担いただき、古墳を発掘調査して記録保存することになりました。そして、文化財保護法に基づく正式な手続きを経て、現在、発掘調査を実施しているところです。
 発掘調査の成果や出土品については、9月12日(雨天の場合は翌日)に、現地にて一般公開する予定です。地元の方々に、古墳の歴史的価値を知っていただく機会を設けます。
 今後は、歴史公園としての整備は行いませんが、発掘調査の成果を各務原の歴史を研究するための重要な資料として位置づけ、展示や印刷物を介して市民の方々に知っていただく機会を継続して設けていきます。
 また、ご提案の自然環境保全募金につきましては、「各務原市応援寄附金(ふるさと納税)」において寄附の使い道として、環境に関することを選択していただくことができますので(市民の方への記念品の送付はありません)、ご活用ください。
 ご理解の程よろしくお願いいたします。
(担当:都市計画課 電話:058-383-7245、文化財課 電話:058-383-1475、
 環境政策課 電話:058-383-4232)

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